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「償還払い」とは⁉|損しないために知っておきたい5つのパターン

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色々な介護サイトに「償還払い」とあるが意味がわからない。

福祉用具を購入したときに「償還払い」と言われたけど、何かわからない。

このような疑問を抱えているのではないでしょうか?

「償還払い(しょうかんばらい)」は、介護サービスや医療サービスの給付方法のひとつです。

「償還払い」とは、利用者が一次的に費用を全額支払い、自治体に必要な手続きを経て、一部について払い戻しを受けることです。

いくつかの介護サービスは、償還払いをしなくてはなりません。

複雑な仕組みではないため、この記事を読めば償還払いを理解できます。

まずは、償還払いの基本的な仕組みから確認していきましょう。

1.「償還払い」とは

「償還払い」とは、利用者が一時的に費用を全額支払い、自治体に必要な手続きを経て、一部について払い戻しを受けることです。

介護サービスの場合、介護保険の自己負担額は原則1割負担(一定以上の所得がある場合は2割または3割負担)であるため、9割(8割、7割)が払い戻されます。

例えば、ある介護サービスが1万円で償還払いすると、1割負担の場合、まず事業者に1万円支払い、手続きを経て9千円が払い戻しされる仕組みです。

また、前提として介護サービスを利用するには、事前に要介護・要支援認定を受ける必要があります。

2.償還払いが必要とされる主な費用

2-1.福祉用具の購入費

福祉用具の購入費は償還払いとなります。

※自治体によっては、償還払いのほかに「受領委任払い」を行なっている場合があります。

受領委任払いとは、自己負担分のみを事業者に支払い、事業者が市区町村に申請することで、追って補填される流れであり、一般的な介護サービスの利用方法となっています。

基本的に、福祉用具販売や住宅改修は償還払いですが、自治体によっては受領委任払いが選べるため、確認しましょう。

介護をサポートする福祉用具は、基本的にレンタルできます。

https://carers-navi.com/hukusiyougu

しかし、以下の福祉用具は、衛生面や耐久面から利用者が買い取ることになっています。

〇腰掛け便座

〇自動排泄処理装置の交換可能部分

〇入浴補助用具

〇簡易浴槽 ・移動用リフトのつり具の部分

また、注意として償還払いを受けるには都道府県指定の事業者から購入しなければなりません。

2-2.住宅改修費

どんな改修工事をできるわけではなく、以下の6つの工事のみ適応されます。

〇手すりの取り付け

〇段差の解消

〇滑りの防止及び移動の円滑化等のための床または通路面の材料の変更

〇引き戸等への扉の取替え

〇洋式便器等への便器の取替え

〇その他上記の住宅改修に付帯する工事

上限20万円までの改修であれば、原則1割の自己負担で介護に適した住宅環境に整備することができます。

https://carers-navi.com/jutakukaisyu

2-3.高額介護サービス費

高額介護サービス費制度とは、介護サービスにかかる費用の一部が戻ってくる制度です。

この制度を活用すれば、介護保険を利用して支払ったお金が一定の金額を超えてしまった時に払い戻しを受けることが出来ます。

 高額介護サービス費制度の対象となる方や払い戻しされる条件は人によって異なります。

生活保護を受給している方等 15,000円(個人)
世帯内の全員が市町村民税を課税されていない方 24,600円(世帯)
※上記の条件かつ前年の合計所得金額と公的年金収入の合計が80万円以下の方 24,600円(世帯)

15,000円(個人)

世帯内のいずれかが市町村民税を課税されており、一定の所得がある方 44,400円(世帯)

高額介護サービス費も償還払いなので、上限をオーバーした分も含めていったん支払う必要があります。

https://carers-navi.com/kougakukaigo

2-4.緊急その他やむを得ない理由によりサービスを受けたとき

要介護認定の申請を出し、その認定がおりる前に、やむを得ない理由によって介護サービスを利用した場合も償還払いが適用されます。

認定を受けた後に償還払いを申請すれば、9割(所得によっては8割または7割)が払い戻されます。

また、認定を受けていて、急遽ケアプランにないサービスを利用したときも償還払いが可能です

2-5.保険料の滞納により支払方法の変更の措置を受けているとき

介護保険料の支払いが一定期間以上、滞ってしまうと滞納処分として、すべてのサービス利用料が償還払いとなります。

もちろん、滞納が解消すれば、通常の介護保険サービスの利用料も償還払いではなくなります。

3.償還払いは手続きが必要

3-1.「介護保険サービス費」の償還払い手続き

償還払いは、お住まいの市区町村の窓口に必要書類を添えて申請します。

手続きの手順は以下の通りです。

①介護保険サービスの利用料を事業者に全額支払う。

②領収書や必要書類をもらう

③必要書類等を揃えて、市区町村の窓口で償還払いの申請をする

④申請が適正と判断されると9割(または7割・8割)払い戻される

※申請内容が承認されれば、原則として申請のあった月の翌月末以降に支給されます。

手続きの流れや留意点は自治体によって異なる場合があるため、市区町村のホームページや窓口で事前に確認しましょう。

3-2.「介護保険サービス費」の償還払い手続きに必要な書類

申請に必要な物は以下の5つになります。

お住いの市区町村によって追加で必要になる場合もありますので、事前に確認しましょう。

①申請書

②介護サービスを受けた領収証(宛名が申請者のもの)

③サービス提供証明証(サービスを提供した事業所から交付を受けます)

④申請者の印鑑

⑤申請者の銀行口座番号や名義がわかるもの

申請書は市区町村の担当窓口またはホームページから入手できます。

4.よくある2つの疑問

4-1.支給限度額を超える分はどうなるの?

償還払いの支給額には介護サービスによって上限があります。

福祉用具の購入は一年間で10万円、住宅改修は要支援・要介護度に関わらず20万円が支払限度額の上限となっています。

例えば、住宅改修費に25万円支払う場合、まず25万円全額を支払います。

そのうち、5万円が自費での支払いになり、20万円のうちのの9割(8割又は7割の場合もあり)が償還払いされます。

つまり18万円が償還払いで払い戻しされ、実質の自己負担額は7万円となります。

4-2.「受領委任払い」との違いは?

自治体によっては、償還払いのほかに「受領委任払い」を行なっている場合があります。

受領委任払いとは、自己負担分のみを事業者に支払い、事業者が市区町村に申請することで、追って補填される流れであり、一般的な介護サービスの利用方法となっています。

基本的に、福祉用具販売や住宅改修は償還払いですが、自治体によっては受領委任払いが選べるため、確認しましょう。

5.まとめ

いかがでしたでしょうか?

最後に大切なことをお伝えします。

償還払いは、申請すると払い戻しされる仕組みです。

反対に申請をしなければ、払い戻しを受けられません。

損をしないためにも、利用予定のサービスの支払い方法は事前に確認するとともに、お住いの自治体の償還払いの仕組みを調べましょう。

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