日々の介護に疲れて、ついつい要介護者に強く当たってしまった。
そんな経験があるのではないでしょうか?
あらかじめ、禁句となる言葉や表現を意識することで、お互いが傷つかず介護できるでしょう。
また、今まで無意識に使ってしまっていた言葉や表現を知ることになるかもしれません。
目次
1.タブーとなる言葉づかい8選
1-1.命令⼝調
○○しなさい。○○しろ。○○やれ。○○するな。
こんな風に命令口調になっていませんか?
どんな時でも丁寧な言葉遣いを意識しましょう。
○○しなさい。⇒○○してください。
○○しろ。⇒○○しましょう。
○○やれ。⇒○○しないでください。
○○するな。⇒○○はやめましょう。
1-2.怒鳴る
丁寧な言葉づかいをしていても怒鳴ってはいけません。
必要以上の声をあげると、怒鳴っているように感じ取られてしまいます。
落ち着いて穏やかな雰囲気で話しかけましょう。
また、ため息交じりの言葉づかいも避けたいですね。
1-3.脅し文句
○○抜きにしますよ。
要介護者が誤った行動をした際に、罰を与えるような脅し文句は厳禁です。
脅し文句がプラスに働くことはないので、気をつけましょう。
1-4.相⼿を否定する⾔葉
「汚いですね。きれいにしましょう。」
「臭い」や「汚い」など相手を否定する言葉は避けましょう。
思っても絶対に言葉にしてはいけません。
1-5.赤ちゃん言葉
「あ~ん」「よくできまちた~」
介護をしていると、赤ちゃん言葉を使ってしまう方もいるのではないでしょうか?
要介護者のプライドを傷付けている可能性があるので避けましょう。
あ~ん⇒口を空けてください。
よくできまちた~⇒よくできました。
1-6.上から目線の⾔葉
○○させる。 ○○をやらせる。 ○○をしてあげる。
上から目線で圧迫するような言葉づかいはいけません。要介護者を尊重した言葉づかいを意識しましょう
○○させる。 ○○をやらせる。 ○○をしてあげる。⇒○○してもらう。
1-7.専門用語を使う
専門用語も場合によって禁句となります。
介護の勉強を進めていく中で、介護の知識がつくでしょう。
しかし、自分では当たり前に使う言葉でも要介護者には理解できず、不安に感じてしまいます。
1-8.不安になると分かっている言葉
要介護者によって過去のトラウマや言われたくない言葉があります。
過去に寄り添って、なるべくその言葉は使わないようにしましょう。
2.禁止リスト一覧
・あんた。
・おまえ。
・うるさい。
・静かにしろ。
・ふざけるな!
・汚い!
・出来ない!
・邪魔!
・気持ち悪い。
・あっち⾏け!
・しつこい!
・やめなさい。
・○○やれよ!
・○○やれ!
・さっきやっただろ!
・遅い!早くして!
・早く○○しなさい!
・早く来いよ!
・さっさと動け!
・早くしないと間に合わないよ!
・調子に乗るな!
・ムカつく!
・今、無理。
・○○が終わってからにして。
・ちょっと待って。
・コラ! オイ!
・ヤダ! ヤメテ!
・いい加減にして下さい!
・何で出来ないの? 何してるの?
・そんなレベルの低いことするんじゃありません!
3.介護声かけの基本
3-1.言葉のトーンを意識する
どんな言葉を伝えるかと同じくらいトーンが大切です。
抑揚や声の高さを意識するとよいでしょう。
3-2.表情に気を付ける
言葉とともに表情を意識しましょう。
笑顔で「ありがとう」と言った場合と、真顔で「ありがとう」と言った場合、伝わり方は大きく変わります。
3-3.認知症の場合のその他キーワード
・日曜日・・・認知症の方が、仕事に行こうとされる場合、「日曜日だから、今日はお休みですよ」など。日曜日は休みと潜在的に刷り込まれている場合が多いです。
・故障・・・繰り返し何かをしようとしてしまう場合、「故障中ですよ」や「故障中」の貼り紙をするなど、「仕方ない」と納得感を持ってもらいましょう。
4.4つのシーン別の声かけ
4-1.挨拶のシーン
「体調はお変わりないですか?」
「気持ちよく眠れましたか?」
「今日は良いお天気ですよ」
挨拶は一番大切な声かけです。
声のトーンと表情を意識して笑顔で挨拶しましょう。
4-2.排泄のシーン
「お手洗いを済ませてから、お部屋でゆっくりしましょう」
「ちょっとチェックしますね」
「下着を交換しましょうね」
「ズボンを下ろしますね」
「寒くありませんか?」
排泄の声かけでは、自尊心を傷つけないように意識しましょう。
自尊心を傷つけてしまうと、排泄を我慢して病気になってしまう可能性もあるので注意が必要です。
4-3.入浴のシーン
「今日はちょっと冷えるので、少し温まっていきませんか?」
「シャワーをかけますね」
「お湯の温度は熱くないですか?」
「腰を支えているので、安心してくださいね」
「ゆっくり立ち上がりましょう」
お風呂に入りたがらない要介護者もいるのではないでしょうか?
その場合は、入浴やお風呂などの言葉を避けましょう。
4-4.食事のシーン
「お腹は空いてきましたか?そろそろお食事の時間ですよ」
「ゆっくり食べてくださいね」
「少し食べにくかったですか?」
食事の時間が楽しみだと思ってもらえるように工夫しましょう。
楽しい時間でないと食事の摂取量が減ってしまいます。
特に認知症の方には、何を食べているのかしっかり伝えるとよいです。