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あなたが介護疲れをしないために、準備しておきたい9の心得

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最近、親の体の調子が悪く、介護というものが現実的になってきてた、、、

介護はある日突然、誰にでも起こりうる日常です。

初期の介護は、混乱で物事を正確にとらえることが難しく、介護疲れで鬱状態になってしまいがちです。

少しでも、介護の前兆を感じたときに、準備しておきたい9の心得を紹介します。

1.ロードマップをつくる

介護の先にあるのは、悲しい別れです。

その時が介護の終わる日になります。

明日かもしれないし、10年後かもしれません。

その日はわからないことが多いです。

しかし、おおよその道のりは共通する経過があります。

それがロードマップです。

もちろん、すべてに当てはまるわけではありませんが、介護の初めから終わりまで見渡すことは役に立つはずです。

ロードマップを見ることで、今やるべきことやこれからの時間の過ごし方などを客観的に判断できます。

どうしたら最期まで、家族の大事な時間を共有できるか考えていきましょう。

ロードマップ

①混乱期 ②負担期 ③安定期 ④看取り期
要介護者の状態 急性期 介護初期 病状進行期 終末期
介護者の気持ち 混乱・否定 疲労・絶望 割り切り・受容 絶望・否定
介護場所(例) 在宅・病院 在宅・介護施設 在宅・介護施設 介護施設・病院・在宅
起こりうる出来事 介護申請・主介護者の決定 進行の抑制・住環境設備 施設探し・入居 延命治療・遺産相続


2.残っている能力を生かす

ロードマップを見ながら客観的な判断ができるようになったら、要介護者の残っている力を見極めましょう。

要介護者の「できること」「できないこと」を判断し、「できること」はやってもらいましょう。

洗濯を例に挙げると、洗濯ものをたためなくても干せるのであれば、その作業は任せます。

「できること」をやってくれたことに感謝の気持ちを持つことで、要介護者に良い影響を与えます。

しかし、この能力の見極めが、介護者には難しいのです。

頼もしかった親の現在の姿は、なかなか受け入れがたく、否定の気持ちが現れてしまうのです。

そんな時は、客観的に見つめ、自分の気持ちを認めましょう。

そして、「できること」を見つけて、感謝は言葉と態度で示してください。

3.自分の居場所をつくる

介護が始まると介護者は社会から孤立してしまうといわれます。

プライベートが無くなったり、仕事をやめて介護に専念することになったりするのでしょう。

さらには、次第に介護者は、家庭でも自分の場所がなくなる気持ちになります。

理由は、生まれて初めての経験で、介護のことで頭がいっぱいになってしまうからです。

この孤独感を解消するには、自分の居場所を作るしかありません。

必要なのは、同じ経験をしている人との会話です。

地域の介護者サロンや自治体を活用してみてください。

4.自分の時間をつくる

介護が始まると日々のほとんどを介護のために費やすことになります。

特に在宅介護では莫大なものです。

まずは、1日、1週間、1か月の時間を可視化しましょう。

この中に自分の時間をしっかりと組み込みましょう。

もし、時間が取れない場合は、家族や介護サービスを利用できます。

自分の時間は絶対に必要な時間です。

介護はいつ終わるかわからないため、長期で考えます。

また、自分の時間の過ごし方は、趣味でも仕事でもよく、介護のことを忘れられることをしましょう。

5.置かれている状態を可視化する

介護の初期は、混乱するのが当たり前と考えておくとよいでしょう。

混乱のまま負担期に入ると心身の疲労はピークに達してしまいます。

この混乱から抜け出す方法は、置かれている状況の可視化です。

可視化の方法を説明します。

紙を2枚用意してください。

1枚には、「介護者の状況」もう一枚には「就労状況」をまとめます。

そして以下の質問に回答しましょう。

「介護者の状況」

・あなたは主たる介護者ですか?
・介護に関する協力者はいますか?
・介護について相談できる相手はいますか?

「就労状況」

・現在仕事をしていますか?
・どのような就労形態ですか?
・あなたの収入は、家計の主な収入源ですか?
・勤務先で利用できる制度はありますか?
・介護と仕事の両立に不安はありますか?

とても簡単な質問に感じるかもしれません。

しかし、混乱の気持ちの中にいる介護者は、わかりきっていることを見失っていることが多いです。

この可視化を進めることでが、客観的に見つめるきっかけになります。

6.家族のできることを可視化する

自分が置かれている状況とともに可視化したいのが「介護環境」です。

3世代の家系図を図式化し、介護に対する状況を記入します。

すると、介護にかかわれるプレイヤーが意外に多いことがわかるでしょう。

介護環境が可視化されたら、次に「できることリスト」を作成します。

まず、日常で介護に関わる作業をすべて書き出してください。

次にその作業を担当する役割を振り分けます。

ここでポイントが、主となる介護者になるべく振り分けないことです。

介護では、家族全員が関わる意識づけが大切です。

全員で協力しましょう。

7.記録を残す

介護には、お金のトラブルがつきものです。

その多くは、介護者の兄弟姉妹の間で起こります。

一回一回の金額は少なくても、年月が過ぎると意外と大金になります。

立て替えたといっても、介護を担当しなかった兄弟姉妹は経費に関して無知です。

関係が崩れないためにもしっかりと記録を残しましょう。

また、記録は介護が終わった後の思い出にもなります。

8.情報と知識を得る

多くの介護者にとって、介護は初めての経験です。

経験したことのない場面で立ち向かうには、情報と知識が必要です。

知識と情報を得る4つの手段

①市町村の相談窓口の資料

メリット:基本的なサービスや仕組みが簡潔にまとめられてる
デメリット:専門用語が多い

②インターネット情報

メリット:最新情報が分かる
デメリット:介護初心者には、正しい情報か判断できない

③書籍による情報

メリット:介護の全体像がつかめる
デメリット:介護初心者には落ち着いて読む時間がない

④経験者からの情報

メリット:生きた情報が得られる
デメリット:相手を探す時間が必要

9.介護者は司令塔だと心得る

介護者の役割は、スポーツにおける司令塔の役割に似ています。

あなたは、介護全般を行うのではなく、介護に関するマネジメント全般を担うのです。

プレイヤーは、あなた一人ではありません。

このプレイヤーたちをマネジメントして動かし、介護の流れを作ることが大切です。

長期にわたる介護では、チームプレイが欠かせません。

まとめ

・介護は自分のことをいかに客観的に見れるかがポイント

・「できること」「できないこと」を見分けて「できること」をやってもらう

・自分の居場所・自分の時間を持つ

・自分の状況と家族ができることを可視化する

・介護はチームプレイで、介護者は司令塔

 

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