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高齢者の脱水を防ぐ。水分不足の原因と対策、工夫を丁寧に紹介!

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「水分を摂るように勧めてもなかなか飲んでくれない……」

「水を飲まないので脱水症にならないか不安」

そんな悩みを抱えていませんか?

高齢者は喉の渇きを感じにくい人も多く、気づかぬうちに脱水症になってしまうことも。

脱水は高齢者の命に危険を及ぼす可能性もあり非常に危険です。

この記事では、高齢者にとって重要な「水分補給」について詳しく解説します。

脱水症の原因や症状、水分不足の対策も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

1.水分補給の重要性

体内から水分が不足すると、のどの渇きや食欲不振、頭痛などの症状が現れます。

また他にも、高齢者になるほど脳梗塞や心筋梗塞などに繋がりかねません。

そのため水分補給で脱水を予防することはとても重要です。

2.水分補給の役割

2-1. 血液の循環

血液成分の90%は水です。

水分補給を行うことにより、血液循環を促します。

また、食べ物から取り入れた栄養素や酸素がからだを巡るためには、水分補給が欠かせません。

2-2. 体温調整

体内に水分を取り入れることで、汗として皮膚の表面から水分を蒸発させることができます。

体は、汗をかくことで体から熱を逃し、体温の調整を行なっています。

2-3. 老廃物を体の外へ出す

血液循環は、老廃物を排泄する役割もあります。

水分が不足すると尿が減ってしまい、老廃物がたまりやすくなります。

2-4. 脱水症の予防

体の水分量が不足してしまう状態のことを脱水症と言います。

脱水症は命を奪いかねません。

脱水症の予防にも水分補給が効果的です。

3.高齢者が脱水症になりやすい原因

ここからは特に高齢者が脱水症になりやすい原因を紹介します。

3-1. 水分の摂取量が少ない

高齢者が脱水症になりやすい原因の一つに、摂取している水分量が少ない場合があります。

本人は意識して水分補給をしているつもりでも、体にとっては足りない場合もあるため注意が必要です。

3-2. 喉の渇きを感じにくい

高齢者は体の感覚機能が低下し、のどの渇きを感じにくくなりります。

そのため自分でも喉の渇きに気づかず、水分不足になってしまうことも。

その上認知症の症状がある人は、飲み物を飲んだかどうかを忘れてしまうため、長時間水分不足になり脱水の要因になります。

3-3. トイレが気になる

高齢の方や介護が必要な方で、トイレに行くことを負担に感じている方は多いです。

トイレに行くのが大変だからと水分を取りたくないと思うのも無理はないでしょう。

3-4. 食事の全体量が減る

高齢になると、運動する機会が減るなどの理由から、食事量が減少することも。

人は単純な水分補給に加えて、普段の食事からも水分を摂取しています。

そのため食事量が減るなどで、食事から摂取できる水分が減ると脱水につながります。

3-5. 腎臓機能の低下

腎臓の主な働きは、血液をろ過して尿を作ることです。

しかし腎臓機能が低下すると、上手く尿を作ることができず、希釈された尿を排泄することになります。

そのような場合には、尿をたくさん出すことで働きを維持しようとします。

3-6. 筋肉量の低下

筋肉は、体液を多く蓄積する働きがあります。

そのため筋肉の量が低下することも、体内の水分量が減ってしまう原因になります。

3-7. 利尿作用のある薬の影響

普段飲んでいる薬に利尿作用はありませんか?

利尿作用のある薬を飲むと、摂取した水分が尿として体から出やすくなります。

そのためたくさんの水分を摂取しているつもりでも、脱水につながる可能性があります。

4.水分不足の対策

水分不足やそれに伴う脱水の原因は様々。

それぞれの原因に応じた対策を講じる必要があります。

ここからは、水分不足の対策を6つ紹介します。

4-1. 水分量を測るのが面倒なときは、500mlペットボトルを用意

毎回水分を摂る度に計量するのは手間がかかります。

そういった場合には、ペットボトルを活用しましょう。

500mlのペットボトルであれば、1日3本でわかりやすいですし、持ち運びやすいため散歩などにも便利です。

4-2. 水分補給のタイミングがわからないときは、6~8回に分ける

水分補給が必要だと言われても、いつ摂取したら良いのかわからない場合も。

そのような場合には、6~8回に分けてみましょう。

朝起きてすぐ、朝食、昼前、昼食、午後、入浴後、寝る前など、日常生活に組み込むのがおすすめです。

4-3. 水分補給をしたくない理由があるときは、話を聞いてあげましょう

水分補給が大切だとわかっていても、水分補給をしたくない理由がある場合も。

そのようなときには、話を聞いてあげることで、より根本的な解決策が見つかりやすくなります。

例えば、トイレが近くなってしまうことを気にしている場合には、ポータブルトイレなどを検討することで水分補給をしやすくなるでしょう。

4-4. 水が好きではないときは、好みに合わせて飲み物を工夫する

水が好きではないという理由から、水分を摂りたくないという方もいます。

そういった場合には、「飲んでね」と言うだけでは飲んでくれないことも。

ご本人が好きな味や好みの飲み物を用意すると良いでしょう。

4-5. 飲み物を飲むのが辛いときは、食事の中で積極的に水分補給を

水分補給は食事やおやつなどでも摂取できます。

特に味噌汁には、塩分も含まれており熱中症予防にも効果的です。

そのほか、果物なども水分とともにビタミンも摂取できます。

4-6. 1日に必要な水分量は40ml×体重kg

1日に必要な水分量は40ml×体重kgです。

例えば60kgの方は2.4Lです。

この数字はあくまでも目安です。

食事からも水分を摂れますから、食事をのぞいて2L程度を目指して摂ると良いでしょう。

5.脱水を防ぐために必要なポイント

5-1. カフェインの多い飲料は避ける

脱水を防ぐために、カフェインの多い飲料は避けるようにしましょう。

コーヒーや紅茶などに含まれるカフェインは、利尿作用があります。

お茶を飲む場合には、カフェインの少ないほうじ茶などを選ぶと良いです。

5-2. アルコールは水分補給にならないと考える

アルコールは、水分補給にならないと考えましょう。

カフェインと同じように利尿作用が大きいためです。

アルコール類は楽しむ程度にしておきましょう。

5-3. 甘いジュースを飲みすぎない

甘いジュースには砂糖などの糖分が多く含まれています。

これらは確かに水分ではありますが、糖尿病や肥満などの原因となります。

そのため水分補給としてジュースを摂るのは控えた方が良いでしょう。

5-4. こまめに水分補給

脱水を防ぐにはこまめな水分補給が欠かせません。
喉の渇きに本人が気づいていない場合もあるため、周囲が声をかけるようにすると良いです。
普段から水筒を持ち歩く癖をつけたり、生活の一部に習慣として取り入れるなど工夫してみましょう。

6.まとめ

水分補給が大切だとはわかっていても、喉の渇きを感じにくかったり水分補給のタイミングがわからないなどの理由から、なかなか水分を摂れないことも。

ただ「水分を摂るように」と指示をするのではなく、どうして水分を摂りたくないのか聞いてみるのも大切です。

日々の食事やゼリーなどから食事を摂取することもできます。

この記事を参考に、高齢者の水分補給に工夫を加えてみてはいかがでしょうか。

 

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