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レビー小体型認知症とは|原因た症状、介護者が気を付けることを徹底解説

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母が誰かに物を盗まれたと訴えてくる

認知機能の良い時と悪い時の波が激しい

父が誰もいないのに知らない人が家にいると怖がっている

そんな症状が現れている場合は、レビー小体型認知症を疑ってみましょう。

レビー小体型認知症は、認知症の20%を占める病気で、「レビー小体」という神経細胞に出来る特殊なたんぱく質の増加が原因となります。

幻視や妄想、睡眠障害など様々な症状が現れます。

レビー小体型認知症とはいったい、どのような認知症なのでしょうか?

1.レビー小体型認知症とは

レビー小体型認知症は、アルツハイマーと脳血管性認知症と並び「三大認知症」と言われています。

主に65歳以上の高齢者にみられますが、40~50歳の方の発症も珍しくはありません。

また、アルツハイマーは女性の発症が多いのに対し、レビー小体型認知症は男性に多い傾向があり、女性の約2倍と言われています。

物忘れなどの認知機能障害、幻視、手足の震えなど様々な症状が見られます。

現時点では根本的な治療法はありませんが、早い段階で発見し、投薬治療や理学療法を行うことで進行を遅らせることができます。

1-1.レビー小体型認知症の原因

「レビー小体」とは、神経細胞に出来る特殊なたんぱく質です。

その「レビー小体」が原因でレビー小体型認知症になります。

「レビー小体」が脳の脳幹部分にたまると手足の震え、歩行の困難などのパーキンソン症状が出るとされており、大脳皮質にも出現すると、理解力の低下、物忘れなどの認知症の症状が表れます。

2.レビー小体型認知症の症状

レビー小体型認知症の主な症状は、注意力の低下や視覚認知の障害、物忘れなどの認知機能障害がみられます。

しかし、初期から中期にかけては記憶障害が目立たない場合も多くアルツハイマーのような一般的な認知症だとは認識されにくい面があります。

ここでは8つの症状を解説します。

2-1.幻視

幻視とは、実際には見えないものが本人にははっきりと見える症状です。

レビー小体型の場合、初期段階では物忘れなどの認知症状よりも、幻視が見られる場合が多くなります。

症状の例として、「知らない人が家にいる」、「見えない孫と話している」など具体的な場合が多いです。

また、人形を女の子と見間違ったり、丸めてある洋服を動物と間違えるなどの「錯視」もよくみられます。

2-2.妄想

妄想は被害妄想や誤認妄想などが出現する場合があります。

例えば、「誰かに物を盗まれた」、「鏡に映る自分を他人だと感じる」などです。

2-3.パーキンソン症状

パーキンソン症状とは、動作が遅くなったり、無表情、筋肉のこわばり、転倒しやすくなるなどの症状が現れます。

レビー小体はレビー小体型だけでなく、パーキンソン病に現れるため、パーキンソン病と似た症状が見られるのです。

2-4.抑うつ症状

レビー小体型認知症の初期では、抑うつ症状が見られる場合が多く、うつ病と間違えられる事もあります。

抑うつ症状とは、気分が沈む、意欲が低下するなどの症状です。

また、抑うつ症状はレビー小体型認知症の約5割に現れるとも言われております。

2-5.認知機能の変動がある

日時によって認知機能の良い時と悪い時の波があります。

具体的には、穏やかで、表情がはっきりしている時と、ボーっとしている時やずっと寝ている場合などの変動があります。

2-6.自律神経症状

血圧や体温、内臓の働きを調整する自律神経が正常に機能せず、身体的にさまざまな不調をきたします。

具体的な症状としては、立ちくらみ、めまい、便秘、尿失禁、失神などが起こる場合があります。

2-7.睡眠障害

浅い眠りの時に大声を出したり、暴れたりすることもあります。

レム睡眠中に起こしやすいことから、厳密にはレム睡眠行動障害といいます。

家族が睡眠障害に気づいて受診に行くと、初めてレビー小体型認知症と診断される場合もあります。

様子がおかしい場合は、すぐに受診・治療を受けましょう。

3.アルツハイマーとの違い

アルツハイマーでは、物忘れや徘徊が目立つ一方、レビー小体型認知症では、幻視や睡眠障害、認知機能の変動が目立ちます。

レビー小体型認知症とアルツハイマーの主な違い

レビー小体型認知症 アルツハイマー
生活障害 視覚認知に基づく 記憶認知に基づく
幻視 多い 少ない
妄想 幻視に基づく妄想 記憶に基づく妄想
徘徊 少ない 多い
認知機能の変動 あり なし
パーキンソン症状 多い まれ

4.介護者が気を付けるべきこと

4-1.幻視を訴えている場合

幻視を訴えている場合は、気持ちに寄り添うように「大丈夫ですよ」「ここですね」と声掛けをしましょう。

本人にとっては、はっきりと見えているため、周りがいくら見えていないと伝えても信じてもらえません。

さらには、馬鹿にされたと感じて怒ったり暴力をふるってしまう場合もあります。

4-2.妄想を訴える場合

妄想の場合は、否定も肯定もせず、本人が話す内容をそのまま繰り返しましょう。

否定をすると、馬鹿にされたと感じて怒ったり暴力をふるってしまう場合もあり、肯定をすると、より妄想の世界に入り込んでしまいます。

ポイントは、否定も肯定もしないことです。

本人が話すそのままの言葉を繰り返すようにしましょう。

4-3.転倒の予防・運動機能の向上

パーキンソン症状で筋肉や関節がこわばり、歩行が小刻みになるため、転倒しやすくなります。

抗パーキンソン病薬の服用を行うことが重要です。

一方で、治療薬による副作用が出現する場合があるため、定期受診をしましょう。

要介護になる10%以上の原因は転倒と言われています。

転倒防止には、身体機能の向上と住居環境の整備が大切です。

https://carers-navi.com/fall

4-4.食べ物が飲み込みにくくなる

症状が進行すると飲み込む機能が衰えて、唾液や食べ物が気管に入ってしまうことがあります。

むせて吐き出せるとよいのですが、吐き出せないと肺炎を起こしやすくなります。

予防策としては、誤嚥しにくい食べ物を選ぶ、食事の際の姿勢に気を付ける、口腔ケアなどがあります。https://carers-navi.com/goenseihaien

5.まとめ

いかがでしたでしょうか?

レビー小体型認知症の主な症状は、注意力の低下や視覚認知の障害、物忘れなどの認知機能障害がみられます。

現時点では根本的な治療法はありませんが、早い段階で発見し、投薬治療や理学療法を行うことで進行を遅らせることができます。

家族に症状の心当たりがある場合は、すぐにかかりつけの医師に相談しましょう。

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