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介護と結婚の両立は難しい?両立を成功させる2つのポイント

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親の介護が心配で結婚に踏み出せない。。。

このように悩みを抱えているのではないでしょうか?

女性の社会進出などによる晩婚化と高齢者の人口増加により、結婚の時期と介護の時期が重なってしまうことが増えています。

この記事では、介護と結婚を両立する2つのポイントをご紹介します。

1. 晩婚化と親の介護

近年では、親の介護が原因で結婚になかなか踏み出せない人が増えています。

トレンド総研の調査では、「交際中に自分が家族の介護をしていたら、恋人との結婚をためらうと思いますか?」という質問について「そう思う」と答えた人は66%。

また、「交際中に恋人が家族の介護をしていたら、恋人との結婚をためらうと思いますか?」と聞くと、「そう思う」という人は57%いることがわかりました。

https://kyodonewsprwire.jp/release/201508192831

この背景には、2つの要因が考えられます。

1つ目は、女性の社会進出などによる晩婚化です。

2015年の平均初婚年齢は夫 31.1 歳、妻 29.4 歳で30年前に比べると約4歳ほどの増加が見られます。

晩婚化により、これまで稀であった親の介護と結婚の年齢が被り、結婚に踏み出せないと考えられます。

2つ目は、高齢者の人口増加です。

日本は少子高齢化が深刻で、2025年問題を抱えています。

2025年問題とは、第二次世界大戦後の第一次ベビーブーム(1947~1949年)で生まれた人口比率の高い世代の全員が後期高齢者(75歳以上)に達することで生まれる様々な問題を指します。

第一次ベビーブームで生まれた世代は、団塊の世代と言われており、日本にはおよそ1000万人いると言われています。

グラフから見ても75歳以上の人口が突出していることがわかります。

https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2011/zenbun/html/s1-1-1-02.html

このような背景から、介護をしなければいけない人口も増えることが考えられます。

2.介護と結婚を両立する2つのポイント

2-1.「介護サービス」を上手に活用する

介護の負担を減らすには、介護サービスの活用が欠かせません。

ここでは、「介護サービス」の活用について説明します。

まず、要介護度と介護保険のサービスの関係について、解説していきます。

2-1-1.介護保険のサービスを利用できる「対象者」とは?

公的介護保険のサービスを利用できる「対象者」は、要介護認定を受けた65歳以上の高齢者もしくは40歳〜64歳で老化が原因の疾患、特定疾病*で介護が必要になった方です。

特定疾病とは?

「特定疾病」は以下のとおりです。

1. 末期がん

(医師が、一般に認められている医学的知見に基づき、回復の見込みがない状態に至ったと判断したもの) 

2. 筋萎縮性側索硬化症(ALS)

3. 後縦靭帯骨化症

4. 骨折を伴う骨粗しょう症 

5. 多系統萎縮症 

6. 初老期における認知症

7. 脊髄小脳変性症

8. 脊柱管狭窄症

9. 早老症

10. 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症および糖尿病性網膜症 

11. 脳血管疾患(外傷性を除く)

12. 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症およびパーキンソン病 

13. 閉塞性動脈硬化症 

14. 関節リウマチ 

15. 慢性閉塞性肺疾患 

16. 両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

※40歳~64歳の方は、これらの疾病により介護が必要となった場合のみ給付の対象となります。

ポイントは「要介護認定を受けている」という点で、要介護認定を受けていなければ、公的介護保険*を利用することができません。

*公的介護保険とは・・・介護が必要になっても住み慣れた地域で、できる限り自立した生活がおくれるよう、介護を社会全体で支えようという趣旨で2000年に設立された社会保険のこと。

要介護認定を受けるには、まずは地域包括支援センターに連絡し、手続きを行いましょう。

2-1-2.介護保険を利用して利用することができる「サービス」一覧

公的介護保険を活用して利用することができる「サービス」は、以下の通りです。

自宅に訪問してもらって受けるサービス
訪問介護
(ホームヘルプサービス)
ホームヘルパーが自宅を訪問し身の回りの介護や生活援助を受ける

要支援者は市区町村が主体で実施する訪問系サービスを利用する

訪問入浴介護 自宅を訪問する巡回入浴車で、入浴の介護を受ける
訪問看護 自宅で看護師・保健師などから療養上の介護や診療の補助を受ける
訪問リハビリテーション 自宅で理学療法士・作業療法士からリハビリを受ける
居宅療養管理指導 自宅で医師・歯科医師・薬剤師などから療養上の管理・指導を受ける

日帰りで施設などに出かけて受けるサービス
通所介護
(デイサービス)
デイサービスセンターなどに通い、入浴・食事・日常生活訓練などを受ける

要支援者は市区町村が主体で実施する通所系サービスを利用する

通所リハビリテーション(デイケア) 老人保健施設や医療施設などに通い、医療的ケアや機能訓練を受ける
宿

短期間、施設などで生活(宿泊)しながら受けるサービス
短期入所生活介護
(福祉施設へのショートステイ)
特別養護老人ホームなどに短期間入所し、入浴や排泄、食事などの世話や機能訓練を受ける
短期入所療養介護
(医療施設へのショートステイ)
介護老人保健施設などに短期間入所し、医学的な管理のもと、介護や機能訓練を受ける

施設に入居して受けるサービス
介護老人福祉施設
(特別養護老人ホーム)
常時介護が必要で、自宅での生活が困難な人に、介護や機能訓練、療養上の世話を行う施設
要介護3~要介護5のみ利用できる
介護老人保健施設
(老人保健施設)
症状の安定した人に、看護やリハビリを中心とした医療ケアと介護を行う施設
要介護1~要介護5のみ利用できる
介護療養型医療施設
(療養型病床型)
長期にわたる療養や介護を行う医療施設
要介護1~要介護5のみ利用できる
介護医療型 医療機能と生活施設としての機能を兼ね備えた施設
要介護1~要介護5のみ利用できる

特定施設入居者生活介護 有料老人ホームなどに入居し、施設が提供する入浴・排泄・食事等に係る介護や機能訓練を受ける
小規模多機能型居宅介護 一つの拠点で訪問・通所・短期入所(ホームヘルパー・デイサービス・ショートステイ)の全てのサービスを提供する
定期巡回・随時対応型訪問介護看護 日中・夜間を通じて1日複数回の定期訪問と緊急時の随時訪問による介護と看護を一体的に提供する
福祉用具貸与(レンタル) 特殊ベッドや車椅子など、日常生活の自立を助けるための福祉用具を借りる
要介護2~要介護5のみが対象。
要支援、要介護1の場合も、やむを得ない事情がある場合は認められることがある。
福祉用具購入費の支給 特殊尿器や入浴補助用具など、レンタルに馴染まない福祉用具の購入費の支給を受ける
住宅改修費の支給 手すりの設置や段差の解消など、住宅改修費の支給を受ける
居宅介護支援
(サービス計画の作成)
ケアマネージャーにケアプランを作成してもらう
要支援者は、地域包括支援センターもしくは地域包括支援センターが委託したケアマネージャーがケアプランを作成する

なお、介護に関わること全てに介護保険を利用できるわけではありません。

介護保険で利用出来るサービスには以下のように介護に関わることではあるけれども、対象外となるものがあります。

(本人以外の人にもかかわる援助)
・要介護者のペットの世話
・同居家族の食事の用意、衣類の洗濯
・要介護者以外の部屋の掃除

(本人の生活に直接必要性がない援助)
・趣味など日常生活になくても支障がない買い物
・庭の草むしり
・話し相手
・大掃除や模様替えの手伝い
・外食や観劇、旅行への付き添い
・来客への応対、留守番

(対象外であることが明確に決まっている援助)
・施設などへの送迎(別料金表示)
・施設利用時の食事代(別料金表示)

(その他)
・金銭の管理

以上にもあるように、基本的に「本人の生活に直接必要性がない援助」や「本人以外の人にもかかわる援助」、「専門知識を必要とする医療行為」、「ケアプラン、サービス内容に含まれていない援助」などは介護保険の対象外となります。

利用を希望する場合は、介護保険適用”外”のサービスとして依頼するようにしましょう。

2-2. ひとりで抱え込まず、頼れる人と「役割分担」をする

介護はチームを作って皆で協力しながら行うものです。

自分一人ではなく、家族や親戚もチームの一員として、何らかの形で協力をしてもらうことが重要です。

そのためにはまず、家族・親戚に相談してみましょう。

家族によっては生活の状況や環境の違いや、要介護者に対する気持ちに温度差があり、前向きに介護にかかわろうとする人ばかりではないかと思います。

最初からいきなり介護を頼みたいんだけど・・・と連絡をすると家族や親戚は、それぞれの生活のこともあり、戸惑いがちです。

まずは親の最近の様子や介護が必要な状況など「親の現状」を話すところからはじめ、そのあと、次は自分自身がどこまで介護をできるかといった自分の生活を踏まえた「自分の現状」についても話をしていくようにしましょう。

そうすることで、「ではここは自分がするよ」「月に何回かなら大丈夫」などの提案をもらえるようになるかもしれません。

物理面、経済面、精神面などのうち、何らかの形でみんなから協力を得ることができるよう相談をしてみましょう。

3. 親の介護について交際中の相手と話し合うタイミング

3-1.テレビ番組の特集を見たとき

テレビで、介護や相続、急病などの話題が流れた時は絶好のきっかけになります。

話題を切り出す必要がないので、スムーズに話しておくべきことを質問できます。

いつでも話せる準備をしておきましょう。

3-2.親戚や友人知人で介護が始まったとき

親戚や知人の介護が始まったときは話題にして、切り出してみましょう。

身近の人がきっかけであれば他人事では済まず、しっかりと話し合えます。

4.ダブルケアも意識しておこう 

介護と結婚を考える上でダブルケアは避けられません。

ダブルケアとは、子育てと親の介護が同時期に起こる状態です。

女性の社会進出などによる晩婚化により出産年齢が遅くなっていることから、社会問題化すると言われています。

また、核家族化により、親族の関係が薄れている中、介護や子育てを周りでサポートすることが難しくなっています。

2016年に内閣府が発表した調査よると、ダブルケアを実施している人は25万3千人にのぼることがわかりました。

年代別で見ると40~44歳が最も多く全体の約27.1%を占めています。

また、女性が16万8千人、男性が8万5千人と女性が男性の倍近いです。

これらのデータは、4年以上前のため、現在はさらに増加していると予想されます。

詳しくはこちらをご覧ください。

https://carers-navi.com/doublecare#3-1

5.まとめ

いかがでしたでしょうか?

結婚と介護を両立させるには、介護サービスの活用と周囲との役割分担が重要です。

また、結婚との両立だけでなく、その先の子育てと介護の両立についても事前に考えておくとよいです。

1人で抱え込まず、周囲の人を頼りましょう。

介護も大切ですが、あなたの人生が一番大切です。

後悔しないよう考えてみてください。

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