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メタボ一直線

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テレワークになってひと月で三キロ太り、これではさすがにヤバイと思って朝暗いうちから起き出して川沿いの道を歩くようになった。最初は平日だけのつもりだったが、それではまったく体重が減らないので、土日も毎朝四時に起きて歩きに出る。

それでも体重は減らない。食べる量を減らして、もっと本格的に運動しないとだめだろう。

でも母が食事を作る実家では食べる量を減らすのには限界がある。母はおやつにと言って、カップケーキを買ってきたり大福もちを買ってきたりするので、食べないわけにはいかない。母自身、体重がどんどん増えるといって嘆いているので、買わないようにといってみたりもするのだが、せいぜいもって一週間、翌週になるとまたいろいろ買いこんでくる。

外出自粛前はコンブのようにカロリーのないものも買っていたが、最近は、柿の種やチョコワッサン(板チョコ入りのクロワッサン)、チョコバナナのケーキなど、明らかにダイエットの敵ばかりである。甘いものばかりの生活に口が慣れてしまうと、低カロリーのものはおいしく感じられなくなるようで、ためしに梅コンブを買ってきたら、「あたしはそれいらないから食べちゃってね」とハッキリいわれた。

別にハッキリ宣言する必要なんてどこにもないのに、頭が甘い物を欲して中毒になっているのである。

まあ、他人のことは言えないのであって、わたしも、ダイエットのために自分用に「たべるヘルシー小魚(塩無添加)」なるものを買ってきたが、ぜんぜん食べたくないので一向に減らない。一緒に買ってきた柿の種わさびばかりが減っていく。買わなければいいのだが、ヘルシー小魚だけを買う気にはなれない。もうその時点で失格である。

毎日味の濃い、カロリーの高いものばかり食べていると、身体と心が自然と低カロリーの食品を敬遠するようになるから不思議だ。これを直すにはしばらく低カロリーの食品に身体を馴らしていかなければならず、ダイエットする時と決めたらそういう食生活をこれまでは実践してきた。

それでいくらか体重は減る。それは確かなのだが。

今回は実家にいてそれができない。メタボ一直線な毎日はまだしばらく続きそうだ。

(追伸:今日母は月一の定期検診で、昼は作らないから、おにぎりで良いかといって出かけた。わたしはテレワークである。帰ってくると、おにぎりだけでなくシュークリームが増えていた。「カスタードでないと嫌なの」という。わたしはいらないのだが、食べないわけにはいかない。これも昼御飯のうちなのだ。終わって一息つくと、仏壇に供えてあった「きんつば」をおろして目の前に置いた。「デザートよ」。いや、シュークリームがデザートじゃないの? さすがに食べられなくて、持って二階に上がってきてしまった。)

※こちらの記事は、2020年6月15日にながさごだいすけ氏によって、note上にて公開されたエッセイになります。

https://note.com/carenavi/n/nfbc9488ea499

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