アルツハイマーってどんな病気??
進行は遅らせることができる??
アルツハイマーの親を在宅介護したいけど不安。。。
このような疑問を持っているのではないでしょうか?
アルツハイマー型認知症は、最も一般的な認知症の一種です。
認知症の約半数がアルツハイマーだと言われています。
比較的聞いたことあるという方も多いですが、具体的な症状については知らない人が多いのではないでしょうか?
この記事では、アルツハイマーについての基本情報から、介護するときの注意点、あなたが介護疲れしないために気を付けることを解説しています。
目次
1.アルツハイマー型認知症とは?
アルツハイマー型認知症とは、最も一般的な認知症の一種です。
そして、認知症とは厚労省によると、「生後いったん正常に発達した種々の精神機能が慢性的に減退・消失することで、日常生活・社会生活を営めない状態」のことを指します。
以前までは、アルツハイマー型認知症=認知症とされていました。
また、認知症の半数近くをアルツハイマー型認知症が占めていると言われています。
2.アルツハイマー型認知症の原因
アルツハイマー型認知症がどのようなメカニズムで起こるか正確には分かっていません。
一説には、脳にアミロイドβやタウタンパクというたんぱく質が異常に溜まり、脳細胞が損傷したり神経伝達物質が減少して、脳が萎縮して引き起こされると考えられています。
また、アルツハイマー型認知症の原因は加齢であることが有力です。
しかし、60代以上で高齢になるほど多く見られますが、40~50代など若い世代で発症する若年性アルツハイマー病も存在します。
明確な原因が不明確なため、現在では効果的な予防や根本的治療が困難といわれています。
3.アルツハイマー型認知症の症状
アルツハイマー型認知症の症状は、認知症の症状とほとんど同じです。
ここではいくつかの症状を解説します。
3-1.記憶障害
記憶障害は、体験の全体を忘れてしまい、自覚がなく日常生活に支障をきたす症状です。
例えば、「昨日何かを食べたことを忘れている」「病院の予約を入れたことを忘れてしまう」など、全体を忘れてしまいます。
また、記憶障害ともの忘れとの違いは、症状と自覚があるかどうかです。
もの忘れは、年を重ねると誰にでも起こりえるもので、「いつ」「どこで」「誰と」といった体験の一部分を忘れます。
そして、もの忘れをした場合は自覚があります。
3-2.見当識障害
見当識とは、時刻や日付、場所、周囲の状況などを判断する能力であり、その能力が低下するのが見当識障害といいます。
原因は、アルツハイマー病や脳が損傷する高次脳機能障害、認知症、睡眠障害などです。
見当識障害の症状には、時間・場所・人物の3種類があります。
①時間がわからない
時間の見当識障害では、年月日や季節など、時間感覚がわからなくなります。
日付や時間を間違えることに加え、季節や朝・昼・夜の認識がわからなくなる症状です。
②場所がわからない
場所の見当識障害では、道順がわからなくなり、場所への認識も薄れます。
そのため、外出すると自分がいる場所がわからず、家に帰ることが困難になる症状です。
③人物がわからない
症状が進んでいくと、家族や親戚、友人など人物の認識ができなくなります。
見覚えがある顔でも、相手と自分の関係を思い出せません。
3-3.行動心理症状(BPSD)
些細なことでイライラすることが多くなったりする(易怒的)
誰もいないのに見られていると思う(幻覚)
自分のものを誰かに盗まれたと主張する(もの盗られ妄想)
目的もなく外に出て歩き回る(徘徊)
これらの症状を総称して行動心理症状といいます。
4.進行を遅らせるために
アルツハイマーに対する根本的治療法は見つかっていません。
しかし、現在有効とされる認知症予防を行うことで、進行を遅らせることはできます。
ここではいくつかの予防法を解説します。
アルツハイマー病学会国際会議で発表された報告書では、若い頃から糖尿病に関する早期教育を行い、中年期の肥満・高血圧・難聴を治療し、改善することで認知症の発症率を20%減らせることがわかりました。
それに加えて、高齢期に以下の5つ全てを満たすことで、認知症の発症率をさらに15%低下できることも判明しました。
(1)喫煙しないこと
(2)うつ病を治療すること
(3)運動をしっかりとすること
(4)社会的な交流を増やすこと
(5)糖尿病を治療すること
https://carers-navi.com/prevention
また、食事や運動、脳トレでも進行を遅らせることが可能です。
5.アルツハイマー型認知症の人への対応方法
アルツハイマー型認知症の方の行動は、介護者の鏡ともいわれています。
介護者がイライラした気持ちで接してしまうと、認知症の方にも伝わりイライラとした気持ちになってしまいます。
まずは、認知症の方を理解することが対応としては最も重要です。
認知症の方への対応は以下の6つに気を付けましょう。
・どうしてそのような行動をしたのか考える
・自尊心が保てるように対応する
・「できること」に注目して役割を奪わない
・一人の人間として対等に接する
・言葉のトーンを意識する
・表情に気を付ける
次にシーン別で対応を紹介します。
5-1.挨拶のシーン
「体調はお変わりないですか?」
「気持ちよく眠れましたか?」
「今日は良いお天気ですよ」
挨拶は一番大切な声かけです。
声のトーンと表情を意識して笑顔で挨拶しましょう。
5-2.排泄のシーン
「お手洗いを済ませてから、お部屋でゆっくりしましょう」
「ちょっとチェックしますね」
「下着を交換しましょうね」
「ズボンを下ろしますね」
「寒くありませんか?」
排泄の声かけでは、自尊心を傷つけないように意識しましょう。
自尊心を傷つけてしまうと、排泄を我慢して病気になってしまう可能性もあるので注意が必要です。
5-3.食事のシーン
「お腹は空いてきましたか?そろそろお食事の時間ですよ」
「ゆっくり食べてくださいね」
「少し食べにくかったですか?」
食事の時間が楽しみだと思ってもらえるように工夫しましょう。
楽しい時間でないと食事の摂取量が減ってしまいます。
また、食べたことを忘れてまた食事をしたがる場合は、
「食べたばかりでしょう!」と叱るのではなく、印象に残るような食器を使ったり、会話をしながらゆっくりと食事を楽しむとよいでしょう
https://carers-navi.com/taboo#4-1
6.あなたが介護疲れしないためにできること
認知症介護では、介護疲れで鬱状態になってしまいがちです。
意識的に工夫をしないと、日々の介護と家事に追われてしまいます。
この章では、介護疲れをしないための工夫を紹介します。
6-1..残っている能力を生かす
まずは、要介護者の残っている力を見極めましょう。
要介護者の「できること」「できないこと」を判断し、「できること」はやってもらいましょう。
洗濯を例に挙げると、洗濯ものをたためなくても干せるのであれば、その作業は任せます。
「できること」をやってくれたことに感謝の気持ちを持つことで、要介護者に良い影響を与えます。
しかし、この能力の見極めが、介護者には難しいのです。
頼もしかった親の現在の姿は、なかなか受け入れがたく、否定の気持ちが現れてしまうのです。
そんな時は、客観的に見つめ、自分の気持ちを認めましょう。
そして、「できること」を見つけて、感謝は言葉と態度で示してください。
6-2..自分の居場所をつくる
介護が始まると介護者は社会から孤立してしまうといわれます。
プライベートが無くなったり、仕事をやめて介護に専念することになったりするのでしょう。
さらには、次第に介護者は、家庭でも自分の居場所がなくなる気持ちになります。
理由は、生まれて初めての経験で、介護のことで頭がいっぱいになってしまうからです。
この孤独感を解消するには、自分の居場所を作るしかありません。
必要なのは、同じ経験をしている人との会話です。
地域の介護者サロンや自治体を活用してみてください。
6-3.自分の時間をつくる
介護が始まると日々のほとんどを介護のために費やすことになります。
特に在宅介護では莫大なものです。
まずは、1日、1週間、1か月の時間を可視化しましょう。
この中に自分の時間をしっかりと組み込みましょう。
もし、時間が取れない場合は、家族や介護サービスを利用できます。
自分の時間は絶対に必要な時間です。
介護はいつ終わるかわからないため、長期で考えます。
また、自分の時間の過ごし方は、趣味でも仕事でもよく、介護のことを忘れられることをしましょう。
6-4.情報と知識を得る
多くの介護者にとって、介護は初めての経験です。
経験したことのない場面で立ち向かうには、情報と知識が必要です。
知識と情報を得る4つの手段
①市町村の相談窓口の資料
メリット:基本的なサービスや仕組みが簡潔にまとめられてる
デメリット:専門用語が多い
②インターネット情報
メリット:最新情報が分かる
デメリット:介護初心者には、正しい情報か判断できない
③書籍による情報
メリット:介護の全体像がつかめる
デメリット:介護初心者には落ち着いて読む時間がない
④経験者からの情報
メリット:生きた情報が得られる
デメリット:相手を探す時間が必要
現在は、経験者からの情報をネット上で簡単に得ることもできるます。参考にしてみてください。
7.まとめ
いかがでしたでしょうか?
アルツハイマー型認知症とは、最も一般的な認知症の一種です。
アルツハイマー型認知症の明確な原因が不明確なため、現在では効果的な予防や根本的治療が困難といわれています。
しかし、進行を遅らせることは可能です。
また、アルツハイマー型認知症の方の行動は、介護者の鏡ともいわれています。
まずは、認知症の方を理解することを心がけましょう。