ケアマネージャーとは介護保険制度上では介護支援専門員と呼ばれています。
主に介護サービス利用計画書(ケアプラン)の作成と給付管理、施設・事業者と利用者またはそのご家族との間の調整役をしてくれます。
介護サービスを利用する際にはケアマネージャーは心強い介護の伴走者となってくれます。
ここではケアマネージャーを選びやすくできるように
- 選ぶ時のポイント
- 契約前後の流れ
- ケアマネ―ジャーを変更したい場合の流れ
を解説していきます。
1そもそもケアマネージャーとは
1-1ケアマネージャーは介護の伴走者
介護において必要な介護サービスを受けるにはケアプランが必要となってきます。
そのケアプランを作成してくれるのがケアマネージャーになります。
ケアプランを作成することは利用者自身でも出来ますが、ケアマネージャーが行っている業務を全て自分でやらなければならず、とても負担が大きくなってしまいます。
ケアマネージャーへの支払いは全て介護保険から費用として負担してくれるので利用者自身の金銭的負担はありません。
そのため、ケアマネージャーと一緒にケアプランを作り、介護を進めていくといいでしょう。
ケアマネージャーの主な仕事として①ケアプラン作成②給付管理③事業者と利用者との調整の3つがあります。
それぞれ解説していきます。
①ケアプラン作成
被介護者とそのご家族がより充実した生活を送るための長期的・短期的な目標が設定された介護の方向性を決める計画書です。
大きく分け以下の3種類があります。
・居宅サービス計画
→自宅に居ながら利用できるサービス
・施設サービス計画
→施設に入所・入院して受けるサービス
・介護予防サービス計画
→要支援1~2と認定された人が介護度が上がるのを防ぐための介護予防ケアプラン
②給付管理
介護保険からの給付金の管理を行います。
介護保険とは原則1割~3割負担で介護保険サービスを利用できる国の保険制度です。
残りの利用料は介護保険料および税金から給付される仕組みになっています。
③施設・事業者との調整役
介護サービスの施設・事業者は非常に多く目的に合ったものを見つけるのは大変難しいです。
そのためケアマネージャーが利用者からヒアリングし、目的に合ったサービスを提案してくれます。
1-2居宅介護支援事業所とは?
ケアマネージャーのいる介護の相談窓口です。
役所の窓口や地域包括支援センターが紹介をする居宅介護支援事業所に依頼をすることで担当のケアマネージャーが決定します。
1-3ケアマネージャーを探す方法と決まるまでの流れ
①近隣地域の居宅介護支援事業所を教えてもらう
市区町村窓口や地域包括支援センター、またはかかりつけの病院の地域連携室に問い合わせをし、近隣区域を担当している居宅介護支援事業所を教えてもらいます。
②ケアマネージャーを選ぶ
問い合わせをした居宅介護支援事業所のスタッフによる説明を受けたら、ケアマネジャーを選定し、居宅介護支援サービスの利用を開始します。
ただし居宅支援事業所によっては、事業所側からケアマネジャーを指定してくることの方が現状としては多く、利用者家族にケアマネジャーの選定の自由を提供してくれるところは少なくなっています。
ただここで信頼関係を確立できないまま介護サービスを受けることになると被介護者にとって本来今後の人生を充実させてもらうためのケアマネージャーがストレスとなってしまいますので、できるだけ事業所に相談をしてケアマネに対する希望を伝えるようにしましょう。
2ケアマネージャーを選ぶ時の大切なポイントを解説
2-1ポイントを解説
ケアマネージャーを選ぶ際に大事なポイントは2つあります。
それは人柄と能力です。
人柄と能力に関する大事なポイントを3つ挙げたので具体的に説明していきます。
・得意分野を把握する
ケアマネジャーになるには、保健、医療、福祉系の国家資格を持ち5年以上の実務経験または、生活相談員をして相談援助の実務を同じく5年以上経験している必要があります。
そのため、5年間その人がどんな実務経験をしてきたのかによってその人の得意分野が変わってきます。
例えば、介護福祉士であれば現場のことについて詳しく、病院勤務を経験している看護師であれば医療知識は長けているでしょう。
ケアマネジャーとなる人がどんな強みを持っていてその強みが要望しているケアマネ像とマッチするのかが大事なポイントになります。
・高いヒアリング能力を持っているか?
利用者や家族によって健康状態や置かれている状況は異なります。そのため、希望していることや絶対に外したくないことなど全く同じ人はいません。そのため適切なケアプランを作成するためには多くの情報を正確に把握することが必要です。
またこちらの希望していることを把握してそれを元に確認、コミュケーションをとってくれるケアマネジャーなら今後の安心感と信頼にも繋がるのでとても大事なポイントとなります。
・フットワークが軽い
高齢になれば常に健康や体調面が変化するためケアマネージャーに緊急で連絡をすることも少なくないでしょう。
そんな時にすぐに連絡をとってくれるフットワークの軽いケアマネージャーが担当だと安心できます。一方で中々連絡がとれないケアマネージャーがいるのも事実です。
2-2ケアマネージャーを選ぶポイントをチェックリストで確認
ケアマネージャーを選ぶ際には「どんな人なのか?」「これから長い付き合いの中で上手に付き合っていけるか?」を確認することが大切です。
そのために
- 実際に会って話をして決める
- 複数人と会ってみて合う人を決める
ここがとても大切です。
そのうえで会って話す際のチェックポイントを解説していきます。
・人数
そのケアマネージャーが担当している要介護者の人数が多いと対応も人数分だけしなくてはいけないので仕事が増え、連絡をとるのが遅いなど問題が出てくる可能性があります。
・経歴
上記でも述べたとおりケアマネージャーによっても得意分野が変わってきます。そのため介護を受けられる方の容態にあった専門性をもっているのか確認してみましょう。
また、緊急時にどのような対応をしているのか聞いてみると緊急時の対応の参考になるでしょう。
・人柄
ケアマネージャーとは長い付き合いになるので、コミュニケーションをとりやすい、信用できる人柄なのか?を確認しましょう。相性が良くないなどの理由で担当変更する可能性もあるのでとても大事なポイントになります。
また、ケアマネージャーが所属する事業所の営業時間や休日、休憩時間を把握しておくと連絡のつきやすい時間が分かります。
・分かりやすく理解できるまでしっかり説明してくれるか?
利用者やご家族は介護の知識があまりないため分からないことが多く、施設介護サービスなどにかかる料金などを分かりやすく説明してくれる、質問にも丁寧に答えてくれるという点はとても大事になってきます。
3契約後の流れと失敗しない付き合い方
・担当のケアマネージャーが決まったらケアプラン(原案)を作成します。
相談や要望に沿ってケアプランを提案してくれます。
・サービス提供事業者との連絡・調整
ケアマネージャーがサービス提供事業者と話し合い、必要なサービスが受けられるように調整してくれます。
・ケアプラン同意
ケアプラン(本案)を作成し、それに納得できたら同意します。
・介護サービス提携事業所と契約
ケアマネージャーと失敗しないように付き合っていくには利用者が自分の要望を具体的にしっかりと伝えるといったことが大切になってきます。
なんとなく言えば大丈夫、任せておけば大丈夫と曖昧にしてしまうと担当のケアマネージャーが利用者の要望含めた適切な相談ができなくなってしまいます。
その結果、双方に不安が生まれコミュニケーションが円滑に進まなくなりケアマネージャーを変更せざるを得ない状況となってしまいます。
そのため、利用者の要望はなるべく具体的にしっかり伝えましょう。
4ケアマネージャーとトラブルがあった場合の対処法
ケアマネージャーと何かしらトラブルが起きてしまう可能性もあります。
そんな時は担当を変えるといったことも選択肢の一つとして考えておきましょう。
- 同じ居宅介護支援事業者の中に複数のケアマネージャーがいれば他のケアマネージャーに変更
- 居宅介護事業者を別のところに変更
- ケアマネージャーの変更を地域包括センターまたは市町村窓口に相談
の3パターンがあります。
居宅介護事業者を変更しても原則利用中の介護サービスは継続できます。
ケアマネージャーを変更したい場合は居宅介護事業者に相談しましょう。
別の居宅介護事業者や地域包括センターに相談するのも一つの方法です。
5最後に
ケアマネージャーは利用者が自立し、充実した生活を送るために介護の伴走者となってくれる存在です。そのため、何か困ったことがあれば具体的に相談し、利用者側のことをよく知ってもらい適切な相談をしてもらうためのコミュニケーションを大事にしましょう。
また、ケアマネージャーを選ぶ際は利用者の要望などを踏まえ理想のケアマネージャー像をイメージして自分たちにあったケアマネージャーを探しましょう。