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これから介護がはじまる|介護前にすべき3つの心構えと2つの準備

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「これから介護が始まる・・・・」
あなたは今こんな状況にいらっしゃったりしませんか?

いったん始まると、いつまで続くのかまったく予測できないのが介護というものです。

介護の前には、心構えと準備が必要です。

多くの方にとって介護というものは未知の世界。
これからどんなことが起こるのか、予測がつきませんよね。

不安を少しでも吹き飛ばせるように今のうちから準備できることはしておきたい。

そして、万全に準備した状態で介護ができるようにしたい。そう思ってる人も少なくないはず。

そこでこの記事では介護をする時に必要な3つの心構えと、介護が始まる前にしておきたい2つの準備をご説明しました。

まずは、どんな心構えで介護をすればいいのか、介護の準備には何が必要なのかを理解してみてください。

後半では、「いざ介護が始まった時に、なにをすればいいのか」といった疑問にも丁寧にお答えしています。

ぜひ最後まで読んでみてください。

この記事を読むことで、あなたの介護への不安を少しだけ和らげることができます。

覚悟をもって介護をしてほしいけど、気負いすぎないで欲しい。
介護の不安を、少しでもこの記事を通して和らげて欲しい。という思いでこの記事を書きました。

この記事が少しでも参考になれば幸いです。

では解説していきます。

1. 介護をする時に必要な3つの心構え

今まで自分を育ててくれた親と立場が逆転し、今度は自分が親のお世話をする状況に・・・。

あんなに元気だった親がこんな弱り果てた姿に・・・・。

介護が始まると今までに体験したことのない思いがあふれてきます。

なんで、自分の親が・・。というようにネガティブな気持ちもたくさん出てきてしまいます。

親の介護をして、介護者である自分が共倒れをしてしまうケースは本当によくあります。あらかじめ介護をするときにどのような心構えが必要なのかを知っておくようにしましょう。

この章では介護をする時に心がけてほしいことを3つ紹介します。

1-1. 積極的にコミュニケーションを取ることを意識する

要介護者、特に親は今まで自分が育ててきた子供にいざ面倒をみてもらうとなると、「自分がお世話されている」という状況を最初はなかなか受け入れがたいものです。

特に、要介護者が真面目で「誰かに迷惑をかけてはいけない」という気持ちがあればあるほど、困ったこと、悩み・不安があっても遠慮をしてしまいます。

そのため、要介護者と積極的にコミュニケーションを取ることが大切です。

最近、何か変わったとはないか?
何か食べたいものはないか?
今日は天気がいいね。
昨日は久しぶりにきょうだいに会ったよなど、最近のことを話したり、昔の思い出話をしたりなど、話す内容は些細な話題で大丈夫です。

日頃から積極的にコミュニケーションを続けることで、要介護者も気を使わずにあなたに何でも話してくれるようになります。

要介護者と一緒に住んでいない場合、施設に入所していたりする場合は、短い時間でいいので電話などで言葉を交わすことをおすすめします。

要介護者も不安・寂しさはあります。自分の置かれている状況を受け入れづらいものです。

あなたから積極的に会話をするよう心がけてください。

1-2. 要介護者の気持ちを考え、尊重する

今まで、思うように生活できていたのに、自由に体を動かすことができない。

食べたいものを食べられない。行きたい場所に自由に行けない。好きなことができない。

介護をする上で一番辛いのは周りの人ではなく介護される本人です。

そのため、要介護者の気持ちを理解し、尊重することが大切です。

試しに、介護を受ける側の気持ちを考えてみましょう。
疲れた顔、嫌な顔で自分に接してきたり、暴言を吐かれたりしたら辛いですよね。

要介護者の人柄、性格をしっかりと理解し、自分がされて嫌なことをはしない、嬉しいことはする。

要介護者の気持ちを考え、尊重し、思いやりをもって要介護者に接することを心がけてください。

1-3. 一人で介護を抱え込まない

自分ひとりであれもこれもと一人で要介護者のお世話をしようとしてしまうと、介護のことを抱え込んでしまい、孤立してしまいます。

介護をする側は自分で抱え込み、孤立することを一番に注意しなくてはいけません。

孤立したことが原因で、自分も倒れてしまったり、最悪の場合、要介護者への虐待にもつながったりしてしまいます。

自分に余裕がなくなれば、要介護者の気持ちを考えたり、思いやりをもって接したりすることも、できなくなってしまいます。

大事な親のためにと思ってひとりで抱え込むことが、逆に親のためにならなくなってしまうのです。

一人で介護を抱え込まないためにも、あらかじめ協力できる、相談できる相手を見つけることが大切です。

周りになかなか相談できる人がいない場合は、「地域包括支援センター」やかかりつけの医者に相談することも1案です。

「地域包括支援センター 市町村名」で検索をするか、役所に問い合わせをすればすぐに見つかります。

介護者が心身ともに健康でなければ、本当の意味での要介護者のための介護もできません。

相談できる相手をみつけ、悩み・不安なことを相談したり、愚痴を聞いてもらったりして、ストレスを発散することも大切です。

一人で介護を抱え込まないような環境を築くことを心がけるようにしましょう。

以上が介護をする時に必要な3つの心構えです。

・積極的にコミュニケーションを取ることを意識する
・要介護者の気持ちを考え、尊重する
・一人で介護を抱え込まない

この3つのことを心がけ、介護ができると理想です。

2. 介護が始まる前にしておきたい2つの準備

では、介護が始まる前にしておきたい2つの準備を解説していきます。

1で紹介した心構えと一緒に準備をするようにしましょう。

2-1. 家族、親戚と介護のことについて話し合っておく

介護が始まった後に家族や親戚など要介護者の周りの方々の間で介護費用、方針の違いからトラブルが起こることが多々あります。

そのため、介護が始まる前に、家族、親戚など要介護者の周りの方々と介護のことについて話し合っておくことが重要です。

具体的には以下の4つのことを事前に話し合っておくようにしましょう。

・誰が主として介護を担当するのか
・家族それぞれができることや思いを共有する
・介護の役割分担について話し合う
・介護費用の分担について話し合う

親の介護を通じてきょうだいたちと絶縁状態になってしまったというケースもあります。

事前に家族、親戚と要介護者の話し合いをしておくことで介護が始まった後にトラブルになったりすることがなくなります。上記の4つのことを事前に話し合って決めておくようにしましょう。

>>>関連記事「親の世話は誰がする?介護をする時に兄弟で話しておくべき5つのこと

>>>関連記事  [必見]共働き夫婦が上手に介護をするための5つのポイントを解説

2-2. 介護の情報をできるだけ多く集める

介護保険ではどんなことができるの?施設はどれを選べばいいの?
介護をする前は不安なことばかりだと思います。

そのため、介護を始める前にできるだけ多くの介護の情報を集めておくようにしましょう。

介護の情報を知らないだけで、損をしてしまうこともあります。

例えば、親が家の中で歩くのが不安定になってきたので、廊下に手すりをつける工事を近所の大工さんにしてもらったというケースがあります。

その場合、介護保険の介護認定を受け、工事前に事前申請をしておけば、工事費用の20万円までについては、1割から3割の自己負担ですむという制度があります。

しかし、それを知らずに先に工事をしてしまうと、介護保険による補助を受けることができません。ほかにも杖や介護ベッドの市販のものを慌てて購入するケースもよくありますが、介護保険を利用すれば、レンタルサービスを1割から3割の負担で利用することができます。

他にも「介護サービスにはどんなサービスがあるのか」や「介護と仕事を両立するために介護休業を利用する」など、介護の情報はできるだけ多く集めておく必要があります。

介護の情報は介護の相談窓口である「地域包括支援センター」で入手することができます。

「地域包括支援センター」は、介護に関する情報の宝庫ともいえる存在です。

各自治体では、介護保険のサービスをはじめ、自治体独自サービスなどの種類や利用の仕方を記した印刷物を作成しています。

「地域包括支援センター」に行けば、一括で入手することができます。
(自治体によってはホームページで閲覧できるところもあります)

入手して、情報を集めた後に、「○ページの、このサービスはどのように使えますか?」などと電話で問い合わせるとスムーズです。

わからないことがあれば、「地域包括支援センター」で相談をするなどして、介護の情報をあらかじめ集めておくようにしましょう。

・家族、親戚と介護について話し合っておく

・できるだけ多くの介護に関する情報をあつめる

以上の2つを介護するまえに準備しておくと安心です。

介護の準備についてより詳しくしっておくことでいざ介護が始まったときでも慌てずに対応することができます。
介護がどうしても不安という方は「介護の準備はこれで安心!今から備えておきたい3つの準備」を読むと安心です。

3. 介護が始まった!すぐにやっておきたい2つのこと

いざ介護が始まった時に、すぐにやるべきことを2つ紹介していきます。

介護がスタートしたらすぐに以下の2つのことをするようにしましょう。

・「地域包括支援センター」に相談する
・介護のスケジュールを立てる

詳しく解説していきます。

3-1.  地域包括支援センターに相談する

介護が必要になったら、まずは「地域包括支援センター」に相談しましょう。

「地域包括支援センター」は、各自治体に設置されている公的な機関であり、介護についての総合的な窓口となっています。

「地域包括支援センター」に相談をすれば、必要に応じて要介護認定の手続きを行ってくれます。

要介護認定を受けることで、公的介護保険を使い、介護サービスを利用することができるからです。

要介護認定とは、
・介護が必要か
・どのくらい介護が必要か
を判定することをいいます。

要介護認定ではその人の状況によって、

・要介護1~5
・要支援1、2
・非該当

というよう8つの段階に判定され、それぞれの段階に応じたサービス利用ができるようになります。

要介護認定の申請の手順は以下の5つのステップです

① 市区町村の窓口で要介護認定の申込み

② 職員が要介護者のもとを訪問し、聞き取り調査(認定調査)をする

③ 市区町村からの依頼で、かかりつけの医師が心身の状況について意見書を(主治医意見書)を作成する。

④ ②、③の結果をもとに、医療・保健・福祉の専門家による介護認定審査会を開催、要介護度の段階を決定

⑤ 市区町村が要介護度を決定。

実際には、認定の申し込み自体は、「地域包括支援センター」が行ってくれますので、それ以外で本人、家族がしなければならないことは以下の3つです。

❐受診
主治医がいない場合、医療機関を受診し、主治医を決める。
主治医がいても、長い間受診していなくて主治医が意見書を記入できないといった場合には受診する。

❐訪問調査同席
訪問調査の際には、認定を受ける本人は、現状の自分の状況を正確に訪問調査員に伝えることが難しい場合も多く、本来の認定がおりない場合もありますので、出来る限り認定調査の際には同席し、現状を正確に伝えるようにしましょう。

❐保険証の確認
要介護認定が決まったのちに送付されてくる介護保険証は、要介護者本人の自宅に送付されます。それをもって介護サービス利用の手続きが開始されますので、必ず確認をしましょう。

申込みから認定の通知までは原則30日で行われますがそれ以上かかる場合もありますので。介護が必要となったらできるだけ早く要介護認定を申請するようにしましょう。

>>>関連記事 「要介護とは介護が必要と認定された状態!要介護7つの段階を徹底解説

3-2. 介護のスケジュールを立てる

要介護の認定を申請してからその結果が出るまでに短くても30日ほどかかります。

要介護度によって、利用できるサービスの種類も、量も変わってきますので、認定がおりるまでの間は正式な計画を立てることは基本的にはできません。

ただそうはいっても、サービスを使わなければ日常生活に支障をきたしたり、さらなる介護度の悪化につながったりすることもありますので、認定がおりるまでの間、最低限のサービスを利用せざるを得ない場合もでてきます。

その場合には、ケアマネージャーと相談し、”暫定”のケアの計画を作成してサービス利用をすることもできます。

要介護認定については、認定申請を提出した日に遡って適用となりますので、認定が下りる前にサービスを利用していた場合でも、その要介護度に応じたサービス利用といった扱いとなります。

たとえば1月13日に認定申請を提出、2月13日に要介護1という認定が下りた場合に、1月13日から使っていたデイサービスは要介護1の金額となります。

ただし、要介護認定がおり、その要介護度では利用できないサービス種類や量を利用していた場合には、その分が介護保険の適用とならずに、全額自費負担をする必要があるということを予め、了承したうえで利用しなければなりません。

できれば認定がおりるまでは、必要最低限のサービスに絞って利用しましょう。

要介護認定がおりれば、正式にいつ、どこで、どんなサービスを、どの事業所から、どれくらいの時間を受けるかなど、介護に関する計画(ケアプラン)を立てる必要があります。

介護に関する計画、ケアプランは本人や家族で作成することも可能ですが、ケアマネージャーという専門職に作成を依頼するのが一般的です。(作成は無料)

また、要支援認定となった場合には、地域包括支援センターもしくは地域包括支援センターが委託した居宅支援事業所のケアマネージャーにケアプランの作成をお願いすることとなります。

*ケアマネージャーは、公正中立な立場であり、要介護者や家族の意思を尊重して、要介護者にとって最適なケアプランを作成してくれます。ただし、時折特定の事業所のサービス、例えば自分が所属している事業所のサービス利用に偏ったケアプランを作成される場合もありますので、ケアマネージャーにはしっかりと意向を伝え、話し合うことが大切です。

以上、介護がスタートしたらしておきたい2つの説明でした。

まずは焦らずに地域包括支援センターに相談するところから始めてみてください。

4. 介護が始まっても忘れてはいけない気持ち

1章でも説明したように、介護が始まれば、介護する側とされる側の気持ちがどんどん離れていってしまうことは珍しいことではありません。

介護する側から考えれば、「なんで自分の考えが分からないの?」と言う場面も出てきます。

介護が始まると要介護者を傷つけるつもりはなくても、つい先走って、暴言を吐いてしまうこともあります。

しかし、要介護者も今の状態になりたくてなったのではありません。

当たり前ですが、要介護者の方も人間です。

人格を否定してしまうことなどは絶対にしてはいけません。

あなたは本当に要介護者のことを理解していますか?

・要介護者は今の状態になってどんな思いでいるのか
・要介護者がどのような介護を望んでいるのか
・どのような最期を望んでいるのか

介護をする側のあなたは知っていますか?

いったんはじまるといつまで続くのかわからないのが介護というものです。

介護保険を申請して要介護認定の結果が出るまで時間があります。

一度、要介護者とこれからの介護について話し合ってはみてはどうでしょうか。

お互いの気持を理解し合った状態で介護ができるのが一番の理想です。

要介護者、介護者ともに双方の考えを共有しておくようにしましょう。

5. まとめ

いかがだったでしょうか。

介護が始まったら、前半で紹介した心構え3つを心得るようにしましょう。

・積極的にコミュニケーションを取ることを意識する
・要介護者の気持ちを考え、尊重する
・一人で介護を抱え込まない

そして最後にお伝えした要介護者とのコミュニケーションを取り、双方が納得のいく介護生活を送れるようにしましょう。

この記事が少しでも参考になれば幸いです。

>>>関連記事 「親の介護は誰の担当?親の介護をする前にしておきたい2つの準備

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