介護の現場で問題視されていることの1つとして挙げられるのが、介護が原因となる家庭崩壊です。
実際に介護が原因で普通の生活ができなくなったり、精神的に辛くなってしまったなどの問題を感じている方は非常に多いですが、それが介護のどの部分が問題なのかわかっていないという方も多くなっています。
そこで本記事では、介護で起こる家庭崩壊の原因と対処法について詳しく解説していきます。
目次
介護ではどんな家庭崩壊が起こるのか?
そもそも家庭崩壊は、アルコール依存症・ギャンブル依存症・薬物依存症・DV・ネグレクトなどが原因となって、一般的で平和な家族関係を築くことができないことを指す言葉です。
ただし、介護が原因となって発生する家庭崩壊の多くは「介護離職による経済的な困窮」や「介護うつ」の2つになります。
「介護離職による経済的な困窮」とは、家族の介護のために仕事を辞めざるを得ない状況のことを指し、介護離職をせざるを得なかった家庭のおよそ75%が経済的に困窮を感じているのです。
令和2年9月30日に発表された「-2019 年(令和元年)雇用動向調査結果の概況-」によると、介護離職をした方は10万人を超えており、中でも女性の介護離職者は男性の4倍以上という数値になっています。
また、介護が原因で家庭崩壊にならない場合であっても、9割以上の家庭が家族の仲が悪くなったと回答するアンケートもあります。
一方で「介護うつ」は、介護が原因でリフレッシュできなかったり睡眠不足に陥ったりしてしまうことが原因でうつ症状になってしまうことです。
介護うつの症状は、憂鬱な気持ちになったり、食欲が低下したり、寝れなくなってしまったりと、一般的なうつと同じ症状になるため、介護から離れて治療する必要があります。
このように、介護が原因となって家庭崩壊するケースや仲が悪くなるケースが多いため、しっかりとした対策が必要になるのです。
介護で家庭崩壊が起こる原因
介護で家庭崩壊が起こる大きな原因になることは下記の2つです。
・ほかの家族からのサポートがない
・介護生活に大きなストレスを感じている
それぞれの原因について詳しく解説していきます。
1.ほかの家族からのサポートがない
介護による家庭崩壊を引き起こしてしまう大きな原因になってしまうのが、家族の誰かひとりに介護を押し付けている、もしくは一人で抱え込んでしまっていることが挙げられます。
介護をひとりで行うことは精神的にも肉体的にも疲れてしまいますし、金銭的にも厳しくなってしまいます。兄弟がいる場合は休日などに介護を手伝うなど、家族全体でサポートしてあげることが大切です。
2.介護生活に大きなストレスを感じている
介護をしているとさまざまなストレスを感じます。
そのため、ストレスを解消しないまま長期に渡って介護を続けることが家庭崩壊の原因になってしまいます。
中でも睡眠不足や介護者とのコミュニケーションミス、さらには金銭面での不安などが大きなストレスになってしまうため、無理のない範囲で介護を行うことが大切です。
介護が原因の家庭崩壊を防ぐ対処法
介護が原因の家庭崩壊を防ぐ対処法は下記の2つです。
・家族間で介護についてしっかりと話し合う
・介護サービスを利用する
それぞれの対処法について詳しく解説していきます。
1.家族間で介護についてしっかりと話し合う
介護における家庭崩壊を防ぐために大切になることは、家族間で介護についてしっかりと話し合うことです。
初めのうちは我慢できる介護生活であっても、長期的に続けていくうちに負担になっていくことが多いため、定期的に介護について家族で話し合う時間を設けましょう。
2.介護サービスを利用する
介護サービスは介護による家庭崩壊を防ぐためにもっとも効果的な方法です。
介護サービスには、長期的に介護を依頼することのできる「老人ホーム」や、短い期間だけ介護を依頼できる「デイサービス」や「ショートステイ」など、さまざまなサービスがあるため、状況に応じて利用することで一時的に介護のことを忘れて休憩することができます。
また、老人ホームに入居することで家族との関係が良くなったという場合が非常に多いため、家庭崩壊の不安を抱える前に老人ホームを検討することをおすすめします。
まとめ
本記事では、介護で起こる家庭崩壊の原因と対処法について詳しく解説していきました。
高齢化社会が進行している日本において、介護をするご家庭は増加し続けていますが、いきなり介護をすることになった場合、どのように対処していいか分からないという場合も多いと思います。
しかし、曖昧なまま介護を続けてしまうと家庭崩壊の原因になってしまうため、しっかりと家族で話し合って介護サービスの利用などを検討することで家族関係が良好なまま介護をすることができます。
ぜひ本記事を参考にして介護による家庭崩壊について理解を深めてみてください。