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自立支援とは?自立支援が求められる背景や4つのケアについて解説

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自立支援ってどんなことをするの?

なぜ近年は自立支援が求められる?

このような疑問を持っているのではないでしょうか?

自立支援とは、介護を必要とする人が、なるべく自分の意思を持って自立した生活を送れるようサポートすることです。

この記事では、自立支援が求められる背景や4つのケアについて解説します。

1.自立支援介護とは?

自立支援とは、介護を必要とする人が、なるべく自分の意思を持って自立した生活を送れるようサポートすることです。

2018年度の介護報酬改定から、自立支援介護に重きを置かれるようになっています。

これまではお世話をすることが目的でしたが、それでは利用者の残存能力を奪ってしまいかねません。

また、超高齢社会を迎えた日本では、健康寿命を伸ばし、一人一人の自立した生活を送ることが求められています。

このような背景から自立支援に注目が集まっています。

2.自立支援が求められる背景

自立支援が求められる背景の1つには、健康寿命と平均寿命の問題があります

平均寿命とは、0歳時点で何歳まで生きられるかを統計から予測した「平均余命」です。

つまり、生まれてから死ぬまでの期間を表します。

一方、健康寿命は、介護の手に頼らず暮らしていける期間です。

日常生活に支障をきたすことなく健康に生きられる期間を指しています。

つまり、平均寿命と健康寿命の差が少ないと無くなる直前まで健康に生きられ、差が大きいと寝たきりなど不健康に生きる期間が長くなることがわかります。

現在の日本では、医療技術の進歩と共に平均寿命は伸びており、2016年の平均寿命は男性80.98歳、女性87.14歳となっています。

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000637189.pdf

しかし、健康寿命は比例して伸びておらず、介護が必要な状態が長くなっています。

その結果、独居老人などの社会問題が起き始めています。

3.自立支援介護の基本ケア

3-1.水分ケア

体に占める水分の割合が成人で約60%に対して、高齢者は50%~55%に減ってしまいます。

高齢になると筋肉量が減り、筋肉中に水分を保持できなくなることが原因です。

さらに、血液成分の90%は水です。

水分補給を行うことにより、血液循環を促します。

また、食べ物から取り入れた栄養素や酸素がからだを巡るためには、水分補給が必要です。

そのため、高齢者は、1日1500mlの水分補給が必要だと言われています。

しかし、高齢者は体の感覚機能が低下し、のどの渇きを感じにくくなります。

そのため、意識的な水分補給が欠かせません。

朝起きてすぐ、朝食、昼前、昼食、午後、入浴後、寝る前など、日常生活に水分補給を組み込むのがおすすめです。

3-2.栄養ケア

高齢者は栄養に気をつけないと、低栄養になってしまいます。

低栄養とは、エネルギー摂取量やたんぱく質などの栄養が慢性的に不足している状態です。

低栄養になると、運動能力や免疫力の低下が起こってしまいます。

自立支援介護では、普通食で1日1500kcalが必要だと言われています。

出来るだけバランスの良い食事を摂ることを心がけましょう。

主食、主菜、副菜を揃えることがポイントです。

・主食
ご飯やパン、麺類などを指し、体のエネルギー源になるものです。

・主菜
肉や魚、卵などの動物性タンパクや、大豆製品などの植物性タンパクを指し、筋肉や血液の材料になります。

・副菜
野菜や海藻、きのこ類など、ビタミンやミネラル、食物繊維が含まれるものです。
胃や腸の調子を整えてくれるなど様々な効果があります。

3-3.運動ケア

自立支援には、運動も欠かせません。

まずは家から出て公園で散歩することから始めましょう。

1日2kmの歩行を目標にできる範囲で始めてみてください。

適度な運動は、動脈硬化や呼吸器機能の改善、血管疾患のリスクの低下などの効果があります。

ウォーキングをする際は、3分「速く歩く」、3分「ゆっくり歩く」と交互に意識するとよいです。

「速く歩く」目安は、少しきついと感じる程度の速さです。

「ゆっくり歩く」目安は、通常の速さかそれより少し遅いと感じる程度の速さです。

こうすることで、ただ歩くよりも少し負荷がかかり、自立支援により効果的になります。

3-4.排便ケア

高齢者は、加齢により筋力が低下して、排便する力が弱まって腸内の便が停滞しやすいです。

また、体内の水分が少なくなることで、腸内の便が硬くなり、便秘になりやすくなることも理由の一つです。

排便のケアでは、3日以内の自然排便を目指しましょう。

便秘を予防するには、 食物繊維が豊富な食事、水分補給、適切な運動が欠かせません。

4.自立支援介護をおこなうメリット

4-1.QOLの向上

QOLはQuality of lifeの略で、「生活の質」や「人生の質」と訳され、私たちが満足に生きる指標として注目されています。

超高齢社会の日本では、ただ長く生きるのではなく、如何に生活や人生の質を高めるかが重要となっています。

さらに、自立支援が進むことで、介護度の改善も考えられます。

4-2.家族の負担軽減

自立に近づくことで、家族の負担も軽減されます。

なるべくご本人が自立をすることで、身体的な負担だけでなく、心配などの精神的な負担も少なくなるでしょう。

5.まとめ

いかがでしたでしょうか?

自立支援介護の基本ケアは大きく次の4つでした。

・水分ケア
・栄養ケア
・運動ケア
・排便ケア

自立支援は、ご本人だけでなく、支える家族の負担を軽減するものでもあります。

この機会にぜひ自立支援を取り入れてみてください。

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