近年、一人で日常の生活を送っている高齢者が増加していることがわかっています。
平成27年国勢調査によると、65歳以上人口のうち、単独世帯(一人暮らし)の人口は平成22年の479万1千人から562万6千人まで増加し、高齢者の一人暮らしが増えていることが分かります。
男女別にみると、男性が179万7千人、女性が383万人で、女性が男性の2倍以上となっています。
また、65歳以上人口に占める割合は、男性が12.5%、女性が20.1%となっており、65歳以上の男性の8人に1人、65歳以上の女性の5人に1人が一人暮らしとなっています。
https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2015/kekka.html
そして、一人で日常の生活を送っている高齢者のことを独居老人といいます。
今回の記事では、高齢者が一人暮らしをしてる理由や起こりうる問題、対応法について解説しています。
ご両親が一人暮らしをしている方は必見です。
目次
1.高齢者が一人暮らしをする理由
高齢者が一人暮らしをする理由は様々ですが、大きく3つの理由が考えられます。
1-1.頼れる人がいない
1つ目の理由として、何らかの理由で家族を頼れないことが挙げられます。
家族が遠方に住んでいたり、近所づきあいがなくなったりと頼れる人がいない高齢者が増えています。
実際に、「高齢者の経済生活に関する意識調査(2011年)」では、「困ったときに頼れる人がいない」との回答が一人暮らしをする高齢者の20%以上を占めています。
1-2.現状の暮らしに不満がない
2つ目の理由は、現状の暮らしに満足しており不自由を感じていないことです。
内閣府が平成28年に公表した「 高齢者の経済・生活環境に関する調査結果」によると、約7割が経済的な暮らし向きに心配がないと回答しています。
このことからも、高齢者は現状に不満がなく、一人暮らしをしていることがわかります。
1-3.配偶者との離別
3つ目の理由として、配偶者との離別が考えられます。
高齢夫婦世帯(夫65歳以上,妻60歳以上の夫婦のみの世帯)は、高齢親族のいる一般世帯数の24.3%を占めており,平成7年に比べ898,686世帯,32.5%増加しています。
このデータに比例して、配偶者との離別後に一人暮らしをする高齢者が増えていると予測できます。
2.高齢者の一人暮らしが引き起こす4つの問題
高齢者の一人暮らしには、認知症のリスクやその進行によって引き起こされるトラブル、孤独死などの問題が関連しています。
この章では、高齢者の一人暮らしが引き起こす問題を4つ紹介します。
2-1.孤独死
まず、高齢者の一人暮らしが引き起こす問題として孤独死が挙げられます。
東京都福祉保健局 東京都監察医務院が行った調査によると、東京23区の孤独死者数は2003年時点で1,451人だったのに対し、2015年には3,127人に倍増しています。
この数字は、高齢者の一人暮らしの増加と大きく関係しているでしょう。
例えば、病気で動けないなどの異常事態に陥ったとき、頼れる人がおらず手遅れとなってしまうケースが挙げられます。
2-2.認知症のリスク
一人暮らしをしていると認知症のリスクが高まります。
ここでは、2つの要因を紹介します。
1つは、認知症の自覚を持てないまま症状が進行してしまう点です。
朝ごはんを2回食べている、季節外れの服装をしているなど、家族と生活をしていれば指摘を受けるようなことも一人で暮らしていては気づくことができません。
もう一つは、食生活です。
一人暮らしをしていると、外食やコンビニのご飯、冷凍食品などを食べて、栄養に気を配ることが難しくなります。
その結果、栄養がしっかりと取れず、生活習慣病など認知症のきっかけとなる病気になる可能性が高まります。
さらには、認知症が進行してしまうと、隣人とのトラブルなどが懸念されます。
2-3.火事など事故の恐れ
高齢になると認知機能や注意力が低下したり、物忘れが増えたりします。
火の消し忘れやガス漏れなどで事故につながってしまうことも考えられます。
2-4.詐欺などのトラブルに遭いやすい
一人暮らしをしていると、周りから注意を受けることも少ないため、むやみに高額な商品を押し売りされたり、詐欺の被害にも遭いやすくなってしまいます。
3.親が一人暮らしをしている場合にできること
3-1.周囲との連携を固め、協力をする
もし遠方に住んでいると、親の身近にいる人に介護をお願いしなくてはいけません。
そのため、親の担当のケアマネージャーや施設の事業者、親戚と連携を固め協力することが大切です。
担当ケアマネージャーや施設の事業者ともコミュニケーションを取ることを意識し、親になにか変わった様子はないかを確認しましょう。
在宅介護をする場合でも、施設での介護でも、親の交友関係を子どもである自分があらかじめ理解しておくことも大切です。
周囲との連携を固め、1人暮らしの親の様子を逐一確認することが大切です。
3-2.毎日10分、親と電話をする
親の周囲の人から様子を聞いていても、親の様子は本当にわからないものです。
そのため、毎日10分間でいいので、親と電話をすることが大切です。
今日の出来事や晩御飯などを聞いたり、自分の今日あった出来事を話してもいいでしょう。
親にとっては孫の存在になる自分の子どもと電話をさせるのも1案です。
毎日は少し気が重いという方は3日に1回、一週間に1回でも良いので電話で直接親とはなしてみましょう。
定期的に電話をすれば親の少しの異変に気づくことができます。
また、在宅介護で介護職やケアマネージャーとしか会話がない親にとっても元気の源になります。
少しでも良いので電話をし、会話をすることが大切です。
3-3.見守りサービスを利用する
「バランスの取れた食事はとれているか」「トラブルなどに巻き込まれていないか」などどうしても親の状態は把握しずらいものです。
また親との関係がいまいちよくない。。という親子も中にはいます。
そんな親子にオススメしたいのが見守りサービスを利用することです。
見守りサービスには定期的に専門のスタッフが安否確認のために親のもとを訪れる「訪問型」からカメラを設
置して親の24時間を記録し、緊急時の呼びかけに反応する「カメラ型」などがあります。
見守りサービスを利用することで遠方にいながらも親の状況を把握することができます。
見守りサービスを利用することで親の状況を毎日把握することができるサービスであるのでぜひ取り入れたいサービスです。
https://carers-navi.com/mimamori-service
4.最後に
いかがでしたでしょうか?
高齢者の一人暮らしは、認知症や詐欺など様々なリスクが潜んでいます。
この際に、老人ホームへの入居も検討してみてはいかがでしょうか?
自分の『大切な人』に介護が必要になった時、大切なことは”どこで”介護をするかです。
こちら記事ではこれから介護施設を選ぶ方に向けて「介護施設の種類」から「介護施設を選ぶ際のポイント・注意点」について解説しています。
https://carers-navi.com/home-type%e3%80%80
ぜひご参考ください。