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介護の主な原因上位の「脳血管疾患」を徹底解説~脳卒中との違いや原因、対策など~

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「脳血管疾患」と「脳卒中」の違いってあるの?

「脳卒中」は介護になるきっかけになるの?

「脳血管疾患」にならないためにはどうしたらいい?

介護が必要になる要因は様々です。

徐々に介護状態になる方もいれば、ある日突然に介護生活が始まる方もいらっしゃいます。

そんな突然の介護のきっかけとなる病気の一つが「脳血管疾患」です。

脳血管疾患とは、脳の血管のトラブルにより脳細胞が破壊される病気の総称です。

高齢者の主な死因として、「ガン」、「心疾患」、「老衰」に続く第4位にあげられるのが「脳血管疾患」です。

今回は、「脳血管疾患」について見ていきましょう。

1.「脳血管疾患」と「脳卒中」の違いは何?

脳血管疾患とは、脳の血管のトラブルにより脳細胞が破壊される病気の総称です。

脳血管疾患には、脳の中の血管が破れて脳内で出血している状態(出血性脳血管疾患)と血管が詰まり血液が脳に行きわたらない状態(虚血性脳血管疾患)があります。

主な脳血管疾患には・・・

出血性脳血管疾患 (脳出血 くも膜下出血など)

虚血性脳血管疾患 (脳梗塞など)

そして脳卒中とは、「脳梗塞」「脳出血」「くも膜下出血」の3つの疾患をさす言葉です。

まとめると、脳血管疾患と脳卒中の違いはそれほど違いはありません。

脳卒中に該当しない脳血管の病気は脳血管疾患になります。

また、脳血管疾患(外傷性を除く)は公的介護保険制度の特定疾病に指定されおり、 40~64歳の方でも発症した場合は要介護認定の対象となります。

2.代表的な脳血管疾患4選

高齢者がかかりやすい代表的な脳血管疾患を4つ紹介します。

2-1.脳出血

 脳出血とは、脳に張り巡らされた血管に障害が起こる病気で、多くの場合は激しい頭痛を伴います。

文字通り、脳の血管から破れてあふれ出した血液が固まって「血腫」となり、周囲を圧迫し脳細胞を破壊して症状を引き起こすのです。

出血した部位や血腫の大きさによって麻痺や意識障害など多くの症状があらわれます。

2-2.くも膜下出血

くも膜下出血は、脳を覆っている髄膜の内側層(軟膜)と中間層(くも膜)のすき間であるくも膜下腔への出血です。 

その中でも最も多い原因は、動脈のこぶ(動脈瘤)の破裂です。 

高齢者に多く起きており、死亡や重度の後遺症が残る割合が高いのが特徴です。

2-3.脳梗塞

脳梗塞とは、脳の血管が突然詰まり血流が途絶え、脳の細胞が死んでしまう病気です。

脳血管疾患の中でも半数以上を占め、高齢者の発症率は特に高い傾向にあります。

早期に発見し治療を受けないと後遺症をきたし要介護の原因となったり、死亡してしまう可能性があります。

2-4.慢性硬膜下血腫

慢性硬膜下血腫とは、忘れてしまうような軽い頭部外傷などの後、1~2ヶ月かけて頭蓋骨の下にある脳を覆っている硬膜と脳との隙間にゆっくりと血が貯まってくる病気です。 

血腫が脳を圧迫した結果、頭痛や物忘れ、精神症状などの症状を発症します。

3.脳血管疾患の原因

脳血管疾患の原因には、高血圧や糖尿病などの生活習慣病が基礎疾患としてある場合が多く、生活習慣が深く関わっています。

高血圧から脳血管疾患へ
高血圧の場合は、血管に強い圧力がかかり、脳内の細い動脈が破れて脳出血を起こす原因となります。

動脈硬化から脳血管疾患へ
動脈硬化による血管の弾力の低下などにより、動脈が血液の圧力に耐えられず脳血管疾患を起こす原因となります。

脂質異常症から脳血管疾患へ
食生活に気を付けないで、動物性脂肪と取りすぎると脂質異常症を発症してしまいます。
血管の壁に脂肪が溜まることで血管が詰まって脳梗塞が引き起こされます。

また、生活習慣病以外にも不整脈や心臓疾患によって心臓に血栓ができ、脳に流れていくことで脳血管を詰まらせ、発症してしまう場合もあります。

4.脳血管疾患は早期発見が重要

脳血管疾患は早期発見が重要です。

これらの症状が見られた場合には、すぐに病院に行きましょう。

・顔のしびれや麻痺、脱力感
・右手足、左手足など半身に生じる麻痺や感覚異常
・ろれつが回らないなどの言葉の異常
・目が見えにくい
・歩行障害
・頭痛
・めまい
・嘔吐
・痙攣
・呼吸障害など
・意識が朦朧とする、意識を失う
・血圧の上昇
・物が二重に見える

頭痛やめまい、嘔吐などは様々な病気でよく起こる症状なので、判断が難しいかもしれません。

しかし、脳血管疾患の多くは「突然起こる」ことです。

頭痛やめまい、嘔吐などが起きた時は同時に「顔、腕、言葉の異常」を確認しましょう。

5.脳血管疾患で後遺症が残った場合

麻痺や言語障害などの後遺症が残った場合は、リハビリに取り組み、機能回復を図ります。

リハビリには、医療リハビリと介護リハビリの2種類あります。

介護リハビリは、介護の延長であり、医療リハビリは、治療の一環です。

介護リハビリは介護保険制度の下で行われ、介護関係職の方からサービスを受ける形となります。

医療リハビリは、医療保険が初診から90~180日までの間しか適応されないため、長期にわたるリハビリが必要な場合は要介護申請を行い、介護リハビリに切替えましょう。

https://carers-navi.com/rehabilitation#1-3-1

6.まとめ

脳血管疾患の原因には、高血圧や糖尿病などの生活習慣病が基礎疾患としてある場合が多く、生活習慣が深く関わっています。

生活習慣を整えることが最大の予防に繋がります。

また、脳血管疾患は早期発見が重要です。

体に違和感を覚えたときは、様子を見るよりも病院に行くことをオススメします。

突然の介護状態になってしまうと、介護する側もさせる側も、精神的・肉体的に追いつめられてしまいます。

まずは、かからないために最大限の努力をしましょう。

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