「要介護度を上げないために、脳トレって効果あるのかな」
あなたはこんな悩みを抱えていませんか?
介護の負担を少しでも減らすために、効果的な方法を知りたいですよね。
2019年に、イギリスのエクセター大学とキングス・カレッジ・ロンドンが脳トレに関する調査結果を、老年精神医学の学術誌に発表しました。
それによると、脳トレを定期的にしている50歳以上の人は、していない人と比べて平均して8歳若い脳の機能を持っているとのことです。
そこで、この記事では脳トレの効果や家でもできる脳トレ、そして後半は介護予防について紹介します。
記事を最後まで読んでいただくことで、脳トレをすぐに実践していただけます。
それでは、紹介していきます。
目次
1. 認知症予防になる脳トレ
脳トレは、脳がエネルギーを使い血液の流れが良くなるため、認知症予防に効果があります。
認知機能が低下する原因の一つに、脳の血液量が低下し、必要な酸素や栄養が脳に行き届かなくなるのがあげられます。
そのため、脳トレを行うことで脳に酸素や栄養が行き渡り、認知機能の低下を防げるのです。
1-1. 脳トレは楽しく、コミュニケーションをとりながら行う
脳トレは、楽しみながらやることでより効果があります。
義務感でやるとストレスを感じてしまい、血流が乱れ逆効果です。
また、コミュニケーションをとりながらやりましょう。
相手の感情をくみ取ろうとしたり、共感したりすることは、脳機能の向上につながります。
1-2. 3種類の脳トレ
脳トレには、多様な方法がありますが、大きく3種類に分けて紹介します。
1-2-1. 体を動かす
実際に体を動かして行う脳トレです。
運動機能の維持や、筋力効果が期待できます。
人数や広い場所が必要であり、デイサービスで行われることが多いです。
具体例としては、以下が挙げられます。
・風船でバスケット
・ペットボトルを使用したボーリング
・お手玉
・ラジオ体操
・フルーツバスケット
1-2-2. 頭の体操
頭を使って行う脳トレです。
人は問題が解決した時に、脳が刺激され活性化されます。
身体の自由がきかなくても、実践できる脳トレです。
具体例としては、以下が挙げられます。
・しりとり
・なぞかけ
・回文
・連想クイズ
・漢字読みクイズ
1-2-3. 手先を動かす
実際に何かを作り出す脳トレです。
頭で考え、指先を動かすことで脳に刺激が与えられます。
具体例としては、以下が挙げられます。
・塗り絵
・手芸
・折り紙
2.家でできる脳トレ5選
家でできる脳トレの方法を紹介していきます。
2-1. 集中力を鍛える「見える神経衰弱」
見える神経衰弱は、集中力を鍛えることができます。
用意するものはトランプのみ、二人一組で行いましょう。
流れは、以下の通りです。
トランプを赤と黒にそれぞれ分ける
↓
一人ずつ赤のカード、黒のカードを持つ
↓
数字がわかる表に向けて、ランダムにカードを並べる
↓
赤どうしと黒どうしで、それぞれカードで同じ数字の組み合わせを揃えていく
(例)一人は赤のハートの2とダイヤの2を見つけたら揃える
もう一人は、黒のスペードの8とハートの8を揃える
それぞれの色のみを揃えていきます。
制限時間内に多く組み合わせを揃えたほうの勝利となります。
一日一回、5分が目安です。
2-2. 記憶力を鍛える「レシートクイズ」
レシートクイズで、記憶力を鍛えましょう。
用意するものは、家にある一週間以内に受け取ったレシートのみです。
出題者は、レシートにある内容について質問します。
(例)「先週の金曜日に、バナナはいくつ買った?」
このように特定の品物を搾り質問することで、記憶が引き出しやすくなります。
一週間に一度、3枚だけ行うとした枚数を決めて取り組んでみましょう。
2-3. 脳の活性化「指揮者手遊び」
指揮者手遊びは、手先のリハビリと脳の活性化に効果があります。
やり方は以下の通りです。
片方の手を上下に振る(2拍子の指揮)
↓
もう片方の手で三角を描く(3拍子の指揮)
↓
慣れたら反対に交換する
指揮者になったような気分で行いましょう。
一日1~2分、朝と夜に行います。
2-4. 転倒予防「耳鼻つまみ」
耳鼻つまみは、複数の動作を行うため、動作の維持や向上につながり転倒予防となります。
やり方は以下の通りです。
右手で鼻をつまむ
↓
左手は右手に交差し、右耳をつまむ
↓
「ハイ」を合図に逆にする
(左手で鼻をつまみ、右手で左耳をつまむ)
一人で行う場合は、鼻と耳をつまんだあと、自分で手をたたき、交互に鼻と耳をつまむ、と繰り返します。
交互に手がなっているか、きちんと耳をつまめているかを意識します。
どんぐりころころやカエルの合唱など、歌に合わせて行いましょう。
慣れてきたらスピードを速めます。
一日一回、一曲が目安です。
2-5. 手を動かす「指回し体操」
指回し体操は、普段使う機会が少ない指を回すことで、脳の活性化に繋がります。
やり方は以下の通りです。
両手の指同士をくっつける(ボールをつくるように)
↓
親指から順に、指先が当たらないように指を回す
他の指は離れないように、指はまっすぐにならないよう注意しましょう。
回している指が当たらないよう意識することが大切です。
一日一回、30秒が目安です。
3.脳トレを行う際の注意点
脳トレを行う際は、以下の2点に注意しましょう。
3-1. 転倒に注意
脳トレをする際は、転倒しないよう気を付けます。
ゲーム要素が高い脳トレでは、熱中しすぎると興奮のあまり立ち上がったり、身を乗り出してしまいます。
その際、椅子から落ち転倒すると、骨折してしまうことも。
熱中しすぎていたらクールダウンさせる、一息つくなど転倒に注意して行うのが必要です。
3-2. 正解することが目的ではない
脳トレでは、点数や正解数など結果がでてきます。
しかし、結果に注目しすぎると、できないことに落ち込んでしまったり、自信をなくしてしまいます。
そうすると、脳トレが楽しくなくなり、続かなくなるでしょう。
脳トレはあくまでも認知症予防なので、正解することが目的ではありません。
このことを、本人も周りの人も理解することが必要です。
4.介護予防とは
これまで、脳トレについて紹介してきました。
要介護度の状態が進行せず、介護の負担を減らすには、脳トレ以外の方法もあります。
それは、公的な介護予防サービスです。
介護予防とは、高齢者の社会への参加を促し、一人ひとりの生活の質の向上を目指す取り組みです。
介護予防サービスについて紹介します。
4-1. 介護予防サービス
介護予防サービスは、各市町村の介護予防窓口に行き、厚労省が作成している「介護予防のための基本チェックリスト」を提出することで紹介してもらえます。
介護予防サービスの内容としては、主に以下の2つです。
・訪問型・・・自宅に訪問介護員が訪れ、生活のサポートが行われます。
・デイサービス型・・・日帰りで日常生活の支援や機能訓練を受けられるサービスです。
デイサービスでは複数人いるため、地域の方々と交流ができます。
5.まとめ
いかがだったでしょうか。
脳トレは、脳を活性化させ認知症予防に効果があります。
家にあるものでできる脳トレを行い、認知機能の向上を目指しましょう。
脳トレを選ぶポイントは、以下の3つです。
・運動機能の維持や筋力効果がある体を動かすタイプ
・脳が活性化する頭の体操タイプ
・実際に何かを作り出す、手先を動かすタイプ
また、脳トレは定期的に続けることが大切です。
楽しく、続けたいと思えるものを行いましょう。
さらに、各市町村では介護予防サービスが展開されています。
介護の負担を減らすためにも、利用するのはいかがでしょうか。
この記事が少しでも参考になると幸いです。
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