歩くスピードが遅くなってきた。。。
1人で着替えができない。。。
息切れしやすくなった。。。
こんな症状を抱えていませんか?
もしかしたらALSの初期症状かもしれません。
ALSは、筋肉そのものではなく、運動神経系が障害を受け、体を動かすための筋肉が衰えていく神経疾患です。
このような症状がみられている場合は、かかりつけ医に相談しましょう。
今回の記事では、ALSの症状や治療法、介護について解説します。
目次
1.ALSとは?
ALSとは、筋萎縮性側索硬化症のことです。
筋肉そのものではなく、運動神経系が障害を受け、体を動かすための筋肉が衰えていく神経疾患です。
また、口やのどの筋肉も衰えていき、会話が上手くできなくなったり、食べ物が飲み込みづらくなったりします。
日本には約1万人の患者がいるとされており、厚生労働省が「特定疾患」に認定しています。
ALSは、はっきりとした原因はわかっていないものの、5〜10%は遺伝性と言われています。
2.ALSの特徴的な症状
ALSは、一度発症すると完治したり、症状が軽減することがありません。
しかし、症状の進行スピードは人によって個人差があります。
また、高齢になればなるほど進行スピードは早くなる傾向にあります。
さらに高齢者は、初期症状が老化と似ているため、気づきにくいという特徴もあります。
思い当たる症状や心配なことがあればまず、かかりつけ医を受診しましょう。
2-1.上肢型
筋力の低下により、上半身を動かすことが困難になります。
例えば、1人で着替えができない、文字がうまく書けないなどがあります。
2-2.下肢型
筋力の低下により、歩くことが難しくなります。
例えば、階段の上り下りが困難になる、歩くスピードが遅くなるなどがあります。
症状が進行すると寝たきりになってしまうこともあります。
2-3.球麻痺型
球麻痺型は、脳にある運動を司る部位が損傷し、舌や口内の運動機能が低下する症状です。
嚥下障害やうまく話せなくなる症状が現れます。
2-4.呼吸筋麻痺型
呼吸も実は、運動神経の命令のもとに行われているため、呼吸を正常に行うことが難しくなります。
例えば、息切れしやすくなる、大声が出せなくなるなどの症状が現れます。
症状が進行すると、人工呼吸器が必要になったりします。
3.ALSの治療と介護
ALSには根本的な治療法がないため、進行を遅らせる治療を行います。
3-1.薬物治療
ALSの基本的な治療は薬物治療です。
リルゾール(内服薬)や、エダラボン(点滴)などのALSの進行を遅らせることができる薬があります。
どちらも、ALSの進行を数か月間延長させる効果があります。
3-2.食事について
ALSになると腕の力が弱まり1人で食事がとれなかったり、飲み込む力が弱くなり嚥下障害を起こしてしまう危険があります。
しかし、しっかりとバランスよく栄養補給をしなければさらに体が弱ってしまいます。
筋力の低下により、口からの食事が難しい場合は、胃ろうや経管栄養を検討しましょう。
3-3.呼吸について
ALSが進行すると、自力で痰を出すことが難しくなるため、数時間おきに機械を使用して痰を取り除きます。
さらに症状が進むと、人工呼吸器を使わなければ呼吸ができなくなります。
また、最近の人工呼吸器は小型になっており、装着しても日常生活を行うことも外出も可能です。
3-4.リハビリテーション
体を動かさないと筋力の低下が進むと共に関節の動きも固まってしまいます。
リハビリテーションを行うことで、進行のスピードを遅らせることができます。
また、体の筋力だけではなく、呼吸や飲み込むために必要な筋肉のリハビリも行います。
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4.経済支援が受けられる3つの制度
4-1.介護保険の特定疾病
公的介護保険の対象者は、要介護認定を受けた65歳以上の高齢者もしくは40歳〜64歳で16の特定疾病で介護が必要になった方です。
ALSは特定疾患に指定されているため、40歳以上65歳未満であっても介護が必要な状態であれば、介護保険を利用することができます。
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4-2.特定医療費
ALSは難病法の指定難病に認められています。
そのため、自己負担分の治療費を超えた場合は国からの補助があります。
4-3.身体障害者手帳
ALSの症状が進行すると、身体障害者手帳を受け取れます。
身体障害者手帳を持っているとALS以外の治療費の補助や様々な福祉サービスの利用が可能になります。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか?
ALSは、筋肉そのものではなく、運動神経系が障害を受け、体を動かすための筋肉が衰えていく神経疾患です。
ALSは、一度発症すると完治したり、症状が軽減することがありません。
しかし、初期段階で治療を行えば進行を遅らせることは可能です。
歩くスピードが遅くなってきた。。。
1人で着替えができない。。。
息切れしやすくなった。。。
このような症状に心当たりのがある場合は、かかりつけ医に相談しましょう。