最近、母の物忘れがひどく認知症かもしれない。。。
認知症にも種類があるの?
このような悩みや疑問を抱えているのではないでしょうか?
一言で認知症と言っても、原因によって種類や症状は様々です。
この記事では、認知症の種類や予防法、介護でのポイントを解説しています。
ぜひご参考にしてください。
目次
1.主な認知症の種類は4つ
認知症の種類は数多くありますが、全体の90%以上は、4つの認知症が占めています。
これらは、4大認知症と呼ばれており、アルツハイマー型認知症・レビー小体型認知症・脳血管性認知症・前頭側頭型認知症を指します。
その中でも半数以上がアルツハイマー型認知症です。
そもそも、認知症とは厚労省によると、「生後いったん正常に発達した種々の精神機能が慢性的に減退・消失することで、日常生活・社会生活を営めない状態」のことを指します。
次の章から4大認知症を一つずつ解説します。
2.アルツハイマー型認知症
アルツハイマー型認知症とは、最も一般的な認知症の一種です。
以前までは、アルツハイマー型認知症=認知症とされていました。
また、認知症の半数近くをアルツハイマー型認知症が占めていると言われています。
2-1.原因
アルツハイマー型認知症がどのようなメカニズムで起こるか正確には分かっていません。
一説には、脳にアミロイドβやタウタンパクというたんぱく質が異常に溜まり、脳細胞が損傷したり神経伝達物質が減少して、脳が萎縮して引き起こされると考えられています。
また、アルツハイマー型認知症の原因は加齢であることが有力です。
しかし、60代以上で高齢になるほど多く見られますが、40~50代など若い世代で発症する若年性アルツハイマー病も存在します。
明確な原因が不明確なため、現在では効果的な予防や根本的治療が困難といわれています。
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3.脳血管性認知症
脳血管性認知症とは、脳梗塞や脳出血などによって発症する認知症です。
破裂や出血などにより、ダメージを受けた脳の血管付近の神経細胞が障害を受けます。
そして、その細胞が担っていた機能が失われて認知症になるのです。
また、脳血管性認知症は、アルツハイマー型認知症に次いで患者が多く、三大認知症の1つと言われています。
3-1.原因
脳血管性認知症の原因は、脳の血管にトラブルを引き起こす脳血管疾患や事故や転倒などにより直接脳にダメージを与えてしまうことが考えられます。
脳血管疾患とは、脳の血管のトラブルにより脳細胞が破壊される病気の総称です。
主な脳血管疾患には「脳梗塞」「脳出血」「くも膜下出血」などがあります。
無症候性脳梗塞というものもあり、自覚がないまま認知症になってしまうことも少なくありません。
また、脳血管性認知症のきっかけとなる脳血管疾患の原因には、高血圧や糖尿病などの生活習慣病が基礎疾患としてある場合が多く、生活習慣が深く関わっています。
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4.レビー小体型認知症
レビー小体型認知症は、アルツハイマーと脳血管性認知症と並び「三大認知症」と言われています。
主に65歳以上の高齢者にみられますが、40~50歳の方の発症も珍しくはありません。
また、アルツハイマーは女性の発症が多いのに対し、レビー小体型認知症は男性に多い傾向があり、女性の約2倍と言われています。
4-1.原因
「レビー小体」が原因でレビー小体型認知症になります。
「レビー小体」とは、神経細胞に出来る特殊なたんぱく質です。
その「レビー小体」が脳の脳幹部分にたまると手足の震え、歩行の困難などのパーキンソン症状が出るとされており、大脳皮質にも出現すると、理解力の低下、物忘れなどの認知症の症状が表れます。
5.前頭側頭型認知症
前頭側頭型認知症、脳の前方にある前頭葉と側頭葉が萎縮する認知症で、比較的若い世代が発症する「初老期認知症」の代表的な疾患です。
若年性アルツハイマーと同じく、40~60代前半に発症する場合が多いです。
「人間らしさ」を一気に奪う病気で、感情障害や記憶障害、意思の欠如などが現れます。
症状がうつ病や精神疾患と似ているため、誤診されたり、見落とされることも少なくありません。
5-1.原因
原因は、はっきりとわかっておらず、脳の前頭葉と側頭葉の神経細胞が少しずつ壊れていくことによって、認知症状が現れます。
6.認知症の予防法
6-1.バランスよく食事をとる
バランスよく食事をとることが大切です。
赤ワインやココナッツオイルなど、認知症予防に有効だといわれる食品があります。
このような情報を定期的に収集することは大切ですが、過度に取りすぎてはいけません。
情報のリソースをしっかりと確認する必要があります。
一汁三菜を意識して旬な食材を食べましょう。
6-2.定期的な有酸素運動
週に2~3回以上の有酸素運動がオススメです。
いきなり、激しい運動をすることが難しい場合は、まずは家から出て公園で散歩することから始めましょう。
適度な運動は、動脈硬化や呼吸器機能の改善、血管疾患のリスクの低下などの効果があります。
特に、身体を動かしながら何かを考えることが認知症予防に大変良いとされているので、取り入れてみてください。
6-3.脳を刺激する知的な活動
脳トレは、脳がエネルギーを使い血液の流れが良くなるため、認知症予防に効果があると言われています。
認知機能が低下する原因の一つに、脳の血液量が低下し、必要な酸素や栄養が脳に行き届かなくなるのがあげられます。
そのため、脳トレを行うことで脳に酸素や栄養が行き渡り、認知機能の低下を防げるのです。
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7.介護のポイント
認知症介護では、介護疲れで鬱状態になってしまいがちです。
意識的に工夫をしないと、日々の介護と家事に追われてしまいます。
この章では、介護疲れをしないための工夫を紹介します。
7-1..残っている能力を生かす
まずは、要介護者の残っている力を見極めましょう。
要介護者の「できること」「できないこと」を判断し、「できること」はやってもらいましょう。
洗濯を例に挙げると、洗濯ものをたためなくても干せるのであれば、その作業は任せます。
「できること」をやってくれたことに感謝の気持ちを持つことで、要介護者に良い影響を与えます。
しかし、この能力の見極めが、介護者には難しいのです。
頼もしかった親の現在の姿は、なかなか受け入れがたく、否定の気持ちが現れてしまうのです。
そんな時は、客観的に見つめ、自分の気持ちを認めましょう。
そして、「できること」を見つけて、感謝は言葉と態度で示してください。
7-2.自分の時間をつくる
介護が始まると日々のほとんどを介護のために費やすことになります。
特に在宅介護では莫大なものです。
まずは、1日、1週間、1か月の時間を可視化しましょう。
この中に自分の時間をしっかりと組み込みましょう。
もし、時間が取れない場合は、家族や介護サービスを利用できます。
自分の時間は絶対に必要な時間です。
介護はいつ終わるかわからないため、長期で考えます。
また、自分の時間の過ごし方は、趣味でも仕事でもよく、介護のことを忘れられることをしましょう。
8.まとめ
いかがでしたでしょうか?
認知症の90%以上を4大認知症が占めています。
4大認知症は、アルツハイマー型認知症・レビー小型認知症・脳血管性認知症・前頭側頭型認知症を指します。
認知症の種類によって治療法が異なるため、ご自身で認知症と認識するのではなく、かかりつけの医師の診断のもと治療をしましょう。