エイジテックって何?
テクノロジーを活用して介護ができないかな?
このような疑問や悩みを抱えているのではないでしょうか?
エイジテックとは、「高齢者×テクノロジー」で、高齢者支援や介護従事者の支援などテクノロジーを通じて高齢化問題を解決するサービスです。
超高齢社会を迎える日本では、エイジテックの活用が欠かせません。
この記事では、エイジテックの現状や種類、具体的なサービスをご紹介します。
目次
1.エイジテックとは
エイジテックとは、「高齢者×テクノロジー」で、高齢者支援や介護従事者の支援などテクノロジーを通じて高齢化問題を解決するサービスです。
エイジテックの背景には、超高齢社会が関係しており、65歳以上の総人口比は2017年時点で27.7%と言われています。
また、65歳以上の男性の8人に1人、65歳以上の女性の5人に1人が一人暮らしとなっています。
さらには、高齢化は世界中でも起こっており、65歳以上人口比率は2015年の8.2%から2060年には17.8%にまで上昇すると予想されています。
このようなことから、エイジテックは注目を集めています。
2.エイジテックの現状
エイジテックの市場規模は、2025年までに※2.7兆米ドルにまで成長すると見込まれています。
つまり、日本円に換算すると約300兆円近い市場規模です。
※Forbes「’Age-Tech’: The Next Frontier Market For Technology Disruption」
これほどの市場規模が見込める背景には2025年問題が大きく関係しています。
2025年問題とは、第二次世界大戦後の第一次ベビーブーム(1947~1949年)で生まれた人口比率の高い世代の全員が後期高齢者(75歳以上)に達することで生まれる様々な問題を指します。
特に介護を取り巻く6つの問題の解決のためには、エイジテックが必要不可欠です。
①介護難民の問題
介護難民とは、介護を必要とする状態にもかかわらず、適切な介護サービスを受けられない人をいいます。
単に介護施設に受け入れてもらえないだけではなく、在宅でも適切な介護を受けられない状況です。
2025年には全国で約43万人が介護難民になるとの試算もあります。
https://carers-navi.com/kaigonanmin
②老老介護・認認介護の問題
老老介護とは、65歳以上の高齢者が同じく65歳以上の高齢者を介護している状態です。
75歳を超える超老老介護をおこなう世帯は、全体の約3割を占めており、2025年に向かってこの数字は高まると予想されています。
https://carers-navi.com/rourou
③健康寿命の問題
平均寿命は伸びているにもかかわらず、健康寿命は比例して伸びておらず、介護が必要な状態が長くなっています。
https://carers-navi.com/health
④医療の問題
厚生労働省の推計によると、2025年には医療費の保険給付金額が54兆円になると予想されています。
税の負担が若者にのしかかりますが、少子高齢化により賄いきれない可能性もあります。
⑤社会保障費の問題
少子高齢化に伴い、年金や医療・介護などの社会保障費が急増し、日本の財政の多くを占めるようになりました。
しかし、少子高齢化のため、税収は増えることなく今後は減少していくことが考えられます。
⑥介護人材の問題
2018年に厚生労働省は、介護人材の増加が現状のままで推移した場合、2025年に介護職員が約34万人不足すると発表しました。
https://carers-navi.com/2025problem
これらの問題解決のためにも、テクノロジーの力が必要不可欠であることがわかります。
3.エイジテックの種類
エイジテックには4つの種類があります。
この章では、1つずつ解説していきます。
3-1.高齢者自身が利用するサービス
エイジテックの中でも一番イメージしやすいのではないでしょうか?
具体例としては、以下のようなものが挙げられます。
・健康管理アプリ
自宅で呼吸不全管理や体重・活動量などの把握ができます。
・スマートウォッチ
腕につけることで血圧や体温を適宜測ることができます
・孤独防止ロボット
孤独を防止するためのAIが搭載されたロボットです。
・オンライン診療
自宅にいながら医師の診察を受けられます。
3-2.高齢者向けに企業・行政が利用するサービス
こちらは、高齢者が使うのではなく、高齢者をサポートするため、企業や行政が使うものになります。
具体例としては以下のようなものが挙げられます。
・介護補助ロボット
介護者が身につけることで介助のサポートをするロボットです。
・遠隔見守り機器
24時間いつでも高齢者の状態を把握できる見守り機器です。
・電子カルテ
紙のカルテを電子的なシステムに置き換え、一括してカルテを編集・管理し、データベースに記録するシステムです。
・徘徊防止システム
徘徊症状のある要介護者を拘束・監視することなく徘徊による無断外出・離床を未然に防止できるシステムです。
3-3.高齢者のために利用するサービス
続いては、高齢者が使用するのではなく、家族や配偶者が使うサービスです。
具体例としては以下のようなものが挙げられます。
・ホームアシスタント
家庭での日常生活をサポートするため、開発されたインターネット化された電子機器です。
・ビデオチャット
遠方に住んでいるご家族と気軽に会話ができるサービスです。
3-4.若年層が高齢になっていくにつれ利用するサービス
最後に紹介するのが、現在の若年層が、高齢になっていくことを想定して利用するサービスです。
具体例としては以下のようなものが挙げられます。
・遺伝子検査
検査をすることで、癌や生活習慣病などの病気発症リスクや体質の遺伝的傾向を知ることができます。
・健康管理アプリ
自宅で呼吸不全管理や体重・活動量などの把握ができます。
4.エイジテックの事例
4-1.カメラ型の見守りサービス【Alexa】
見守りカメラの良いポイントは、24時間いつでも高齢者の状態を把握できることと、本体費用だけで利用できる点です。
こちらのカメラでは、撮れた映像をリアルタイムで自分のスマートフォンで確認することができます。
これによって、遠方に住んでいたり、仕事などで自宅に帰れないときでも、親の状態を知ることができます。通常の見守りサービスでは、サービスの初期費用に加え、月々の利用料がかかります。
しかし、こちらのカメラでは、本体を購入し、設置してしまえば残りは電気代しかかかりません。介護の見守りサービスとしては珍しい安さです。
4-2.排泄予測デバイス「DFREE」
排泄予測デバイスは、膀胱内の尿の溜まり具合をリアルタイムで監視します。
個人利用の場合では、排尿のタイミングが客観的にわかるため、余裕を持ってトイレに行くことが可能です。
トイレが近くて外出が不安な方や尿意を感じない方などが安心して外出することをサポートします。
また、介護施設などで導入すれば、トイレ誘導のタイミングとおむつ・パッド交換のタイミングを通知し、通知に基づき排泄介助を行うことで、自立支援や生産性の向上を実現します。
4-3.移乗介助型ロボット「HAL®」
介護者が体に装着することで、身体的負担を減らせる製品です。
防水機能もあり、介護動作の中でも、特に負荷の大きい入浴介助の際にも利用することが可能です。
また、人が体を動かすときに脳から筋肉へ送られる信号、“生体電位信号”を読みとってHALはその信号の通りに動きます。
つまり、装着者の動きを、HALが自在にアシストするため、介護を楽に行えます。
4-4.徘徊防止システム「LYKAON」
こちらは、顔認証することで、徘徊症状のある要介護者を拘束・監視することなく徘徊による無断外出・離床を未然に防止でき、徘徊症状のある要介護者が「監視されている」という心理的ストレスを感じさせないサービスです。
さらに、介護スタッフもシステムを導入することで、徘徊による無断外出・離床への警戒や捜索などに発生していた負担を、大幅に減らすことが可能です。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか?
知らないテクノロジーやサービスが見つかったのではないでしょうか?
この機会に、テクノロジーを取り入れた介護を行ってみてください。
エイジテックは、2025年までに約300兆円にまで成長すると見込まれています。
今後、さらに介護業界を支えるサービスが生まれてくるでしょう。