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高齢者の骨折とは?高齢者に多い4つの骨折や原因、対策について解説

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高齢者はなぜ骨折しやすい?

骨折しやすい箇所はどこ?

どうやって対策すればいい?

このような疑問を抱えているのではないでしょうか?

高齢者の骨折は、認知症や脳血管疾患、高齢による衰弱に続いて、4番目に要介護の原因と挙げられています。

また、高齢者の骨折は治りずらく、寝たきりにもつながりやすいです。

この記事では、高齢者に多い4つの骨折や原因、対策について解説します。

1.高齢者に多い4つの骨折

1-1.大腿骨骨折

大腿骨頸部骨折とは、大腿骨の先端部分にある骨頭の下の部分が折れてしまうことです。

股関節に強い痛みが生じ、ほとんどの場合立つことができなくなります。

高齢者が転倒して立ち上がれなくなった場合は、大腿骨頸部骨折を疑いましょう。

1-2.脊椎圧迫骨折

脊椎圧迫骨折とは、背骨に上下からの力が加わって起こる骨折です。

通常は、高所からの転落などによって生じる骨折です。

しかし、骨が年齢とともにもろくなっている場合、尻もちをついただけでも骨折してしまいます。

1-3.上腕骨近位部骨折

上腕骨近位端骨折とは、肩関節から肘関節をつなぐ骨の肩関節近くの骨折です。

若い人は、交通事故やスポーツでの接触など強い衝撃によって生じます。

しかし、骨のもろくなった高齢者では、手や肘をついただけでも折れてしまうこともあります。

1-4.橈骨遠位端骨折

橈骨遠位端骨折は、腕の2本の骨のうち橈骨が手首近くで折れる骨折です。

転倒時に、手をついた際に起こることが多く、若者から高齢者まで多発する骨折です。

特に骨粗しょう症の患者は、高頻度で起こります。

2.高齢者が骨折をしやすい3つの原因

2-1.転倒

骨折をする大きな原因は転倒です。

病気や疾患がない場合でも、年齢を重ねるにつれ、筋力や身体機能は低下します。

そのため、小さな段差やカーペットの出っ張りなども転倒の原因となってしまいます。

また、転倒は、「要介護」となる主な原因として、全体の12.2%を占め、4番目の多さになっています。

病気や疾患がないからといって昔と同じように生活していると危険です。

https://carers-navi.com/fall

2-2.ロコモティブシンドローム

ロコモティブシンドローム(ロコモ)とは、運動器が故障し、立つ・歩く・走る・座るといった移動機能が低下する状態のことです。

2007年に、日本整形外科学会が高齢化社会を見据え、この概念を提唱しました。

ロコモが進行すると、寝たきりになったり介護が必要になります。

進行していることに気が付かず、いつも通りの生活をしていると、思わぬところで転倒してしまいます。

https://carers-navi.com/locomo

2-3.骨粗しょう症

骨粗しょう症とは、骨の強度が弱くなり骨折しやすい状態をいいます。

骨粗しょう症は、年齢を重ねるごとに発症率が高まる病気です。

通常、どんな人でも年齢を重ねると、骨の量は減っていきます。

そのため、骨がもろい状態で転倒すると、大きな骨でも簡単に折れてしまいます。

https://carers-navi.com/kotusosyosyou

3.骨折の予防法

3-1.骨密度を低下させない食事

骨の形成に関係する栄養素を摂りましょう。

骨密度の低下を防ぐ主な栄養素は、カルシウム、ビタミンD、ビタミンKになります。

3-1-1.カルシウム

カルシウムは、骨を作る重要な栄養素です。

75歳以上の方のカルシウム摂取量は、男性700mg、女性600mgが推奨されています。

【カルシウムを多く含む食品】

牛乳、チーズ、いわし、さんま、大豆、緑黄色野菜 など

3-1-2.ビタミンD

ビタミンDは、カルシウムの吸収を助ける栄養素です。

主に魚介類に多く含まれます。

また、食事を取らなくても、日光に当たることで皮膚からビタミンDは作られます。

そのため、散歩などで日光を浴びることも大切です。

【ビタミンDを多く含む食品】

鮭、うなぎ、さんま、まぐろ、しいたけ、きくらげ、しめじ など

3-1-3.ビタミンK

ビタミンKは、カルシウムの吸収を助け丈夫な骨づくりに関わる栄養素です。

油に溶けやすい性質を持っているため、油を使用した料理で吸収が促進されます。

【ビタミンKを多く含む食品】

納豆、油揚げ、卵、ほうれん草、アスパラガス など

一方で、アルコールやカフェイン、さらにリンを多く含む加工食品は、過剰摂取を控えるべき食品です。

3-2.転倒防止のための運動

転倒予防に有効な筋肉である、お尻と太もも(前後)、ふくらはぎのトレーニングが大切です。

また、下半身だけでなく、上半身も鍛えることで体のバランスが安定します。

ここでは、家にあるもので簡単にできる体操を3つ紹介します。

ぜひ実践してみてください。

3-2-1.柔軟性をアップするタオル体操

タオル体操は、筋肉の萎縮を予防し柔軟性がアップする効果があります。

タオルの端を両手で持ち、横向きに振ったり、縦向きに振ったりしましょう。

3-2-2.新聞紙体操で指先の運動

新聞紙をちぎることで、指先や握力の機能訓練ができる体操です。

新聞紙を用意し、複数人で行います。

ひとり一枚の新聞紙を、制限時間内に何分割にできるか競いましょう。

この時、「両手で」「片手で」「親指と人差し指で」のように制限することで身体の多様な場所を動かせます。

制限時間は、1分から2分程度が目安です。

3-2-3.転倒予防になるペットボトル体操

ペットボトルで転倒の予防ができる体操方法です。

まず、水を少し入れた500mlのペットボトルを寝かせておきます。

そのペットボトルを、片足だけを使い起き上がらせましょう。

この際、ペットボトルを5つほど用意し、何秒で全部起き上がることができたか測るのがおすすめです。

https://carers-navi.com/exercise

3-3.住居環境の整備

住居環境の整備も欠かせません。

階段や廊下、トイレ、浴室などに手すりの取り付けや玄関や浴室などの段差や傾斜を解消、滑りの防止のため床の張替などが必要になります。

ご自宅の中でどこに問題があるか確認しましょう。

また、介護保険の制度には在宅介護に必要な住宅改修費が含まれています。

これは、介護のための住宅改修を支援する仕組みです。

上記に挙げた住宅改修を行う場合、工事費用の7~9割が支給されます。(上限20万円まで)

〇介護保険の対象となる主な6つの工事
手すりの取り付け
段差の解消
滑りの防止及び移動の円滑化等のための床または通路面の材料の変更
引き戸等への扉の取替え
洋式便器等への便器の取替え
その他上記の住宅改修に付帯する工事
https://carers-navi.com/jutakukaisyu

4.まとめ

いかがでしたでしょうか?

高齢者が骨折しやすい原因は、転倒しやすいこと、ロコモティブシンドローム、骨粗しょう症の3つが挙げられます。

高齢者は、免疫力や回復力が低下していることが多く、完治には時間がかかってしまいます。

骨折をしてしまう前に、できる対策を行いましょう。

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