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心臓病とは?原因や種類、介護で気を付けたいポイントを解説

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心臓病(心疾患)は、日本人の三大死因と言われており、厚生労働省(2019年)の発表によると死因で第2位となっています。

また、厚生労働省の国民生活基礎調査(2019年)によると介護が必要となった主な原因の構成割合のうち、4.5%が心臓病となっています。

心臓病の多くは、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病が大きく関わっています。

そのため、生活習慣を見直すことである程度は予防できるでしょう。

この記事では、心臓病の種類や症状、予防方法について解説します。

1.心臓病とは

心臓病とは、心臓に起こる病気の総称で、心疾患と呼ばれる場合もあります。

日本人の死因第2位を占めており、突然の介護が必要となるリスクも高い病気です。

心臓病には、心臓の壁に穴が開く「欠損症」や心臓の血流を調整する弁に異常が発生する「心臓弁膜症」、心臓の筋力が低下する「心筋症」などがあります。
その中でも特に代表的なのが、「狭心症」と「心筋梗塞」です。

2.心臓病の原因

心臓病の多くは、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病が大きく関わっています。

また、偏った食習慣による高血圧や日々のストレス、飲酒や喫煙なども原因です。

生活習慣病をきっかけに動脈硬化が起こり、狭心症や心筋梗塞が発症しやすくなります。

日々の生活習慣を見直すことで心臓病の予防につながるでしょう。

3.心臓病の種類と症状

心臓病の中で高齢者に起こりやすい3つの疾患について紹介します。

3-1.虚血性心疾患

虚血性心疾患は、動脈硬化やコレステロールの蓄積(プラーク)によって血管が狭くなったり、詰まったりして血液を供給できなくなること(虚血)で起こります。

代表的な虚血性心疾患には「狭心症」と「心筋梗塞」があります。

3-1-1.狭心症の症状

狭心症のよくある症状は、締め付けられるような胸の痛みです。

しかし、狭心症の初期は疲れやだるさ、息切れなど自覚が難しいです。

さらには、胸以外にも腕や背中、喉など胸以外に痛みが現れる場合もあります。

特に糖尿病患者は、狭心症の症状を自覚しにくいため、息苦しいといった程度でも主治医に早めに相談しましょう。

3-1-2.心筋梗塞の症状

心筋梗塞も狭心症と同様に胸の痛みが典型的な症状です。

狭心症とは異なり、胸の痛みが強く、吐き気や呼吸困難などを伴うことが30分~1時間以上続くこともあります。

しかし、高齢者の場合、胸の痛みはないが息苦しいというだけで心筋梗塞を発症している場合があり、注意が必要です。

心筋梗塞は死に直結する病気のため、胸の痛みの強弱に関わらず症状が止まらない場合は、速やかに救急車を呼びましょう。

3-2.心不全

心不全とは、心臓のポンプ機能(全身に血液を送り出す機能)がうまく働かず、全身の血液の循環が滞ってしまう病気です。

初期の症状としては、「疲れやすくなる」という程度で階段や坂道を昇っただけで息切れなど症状を自覚するようになります。

悪化すると、夜間に突然息苦しさが現れ、最悪の場合は死に至ることもあります。

階段や坂道を昇ったときの息切れは年のせいにしてしまいがちですが、この症状が見られたら必ず循環器内科を受診するようにしましょう。

3-3.弁膜症

心臓には、血流の逆流を防ぐために4つの弁があります。これらの弁に障害が起こる病気が「弁膜症」です。

弁膜症には、弁がスムーズに開きにくくなる「狭窄症」と開いた弁が閉じず血液が漏れてしまう「閉鎖不全症」があります。
75歳を超えると、高齢者の10人に1人が心臓弁膜症といわれています。
症状としては、疲れやだるさ、息苦しさなどから始まり、進行すると心不全を合併します。

4.心臓病の予防方法

心臓病の予防には、食習慣や運動、禁煙など日々の生活習慣の見直しが効果的です。

この章では具体的な予防法について解説します。

4-1.定期的な健康診断を受ける

心臓病の予防には、生活習慣病にならないことが大切です。

しかし多くの生活習慣病は初期の自覚症状がなく、健康診断でしか早期発見できないものもあります。

生活習慣病を予防し介護の発生を防ぐために、定期的な健康診断を受けましょう。

4-2.食習慣を見直そう

生活習慣病に大きく影響しているのが食生活です。

偏った栄養バランスや不規則な時間の食事などが原因になります。

塩分を摂りすぎると高血圧になり心臓病や脳卒中のリスクへ、また糖分を取りすぎると糖尿病になりアルツハイマー認知症のリスクへとつながります。

心臓病のリスクを上げる食品

①飽和脂肪酸

飽和脂肪酸とは、肉や乳製品に含まれる動物性の脂肪酸のことです。

肝臓のコレステロール合成を促進する作用があり、過剰な摂取は控えましょう。

一方、魚や豆腐などに含まれる不飽和脂肪酸は、肝臓のコレステロールの合成を抑える働きがあり、心臓病予防に効果的と言えます。

②トランス脂肪酸

トランス脂肪酸は、血液中の善玉コレステロールである「HDLコレステロール」を減少させ、悪玉コレステロールである「LDLコレステロール」を増やす作用を持つ物質です。

農林水産省は、トランス脂肪酸を過剰に摂取していると心臓病のリスクが上昇すると発表しています。

マーガリンやファストフードなどの加工食品に含まれていることが多いです。

https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_eikyou/trans_eikyou.html

4-3.禁煙・禁酒する

喫煙やアルコールの摂取が多い場合も、心臓病を招くリスクが高くなります。

たばこは、一酸化炭素やニコチンが心臓に悪影響を及ぼします。

また、血管にも害を与え動脈硬化をもたらすので、心臓病予防に欠かせない条件です。

4-4.定期的な運動をする

運動不足も心臓病の原因です。

運動不足は、筋力の低下により基礎代謝の減少や血流の低下をもたらします。

しかし、この記事を読んでいきなり激しい運動をすると、かえって心筋梗塞を引き起こす原因になってしまいます。

ご自身の体調と生活習慣に合った方法を取り入れましょう。

以下のような簡単にできる運動や体操を日常生活に取り入れてみてはいかがでしょうか?

・ウォーキング

・スロージョギング

・笑いヨガ

https://carers-navi.com/exercise

4-5.ストレスを抱えない

心身にストレスがかかっていると、動脈硬化の進行や血管の収縮、高血圧も起こりやすくなります。

特にストレスについては、被介護者だけでなく介護者も注意が必要です。

ストレスが溜まってると感じているけど、介護が忙しくなかなかリフレッシュできないことは少なくないのではないでしょうか?

https://carers-navi.com/refresh

5.まとめ

心臓病は、生活習慣病と大きく関係していることがわかりました。

最後にもし心臓発作が起きてしまった時の対応法についてご紹介します。

もし、心臓発作が起きた場合、我慢をせずになるべく早く救急車を呼びましょう。

その際、吐き気や冷や汗など別の症状が出ていないかも確認しておく必要があります。

また、発作が深夜に起きたとしても、必ず朝まで待たずに救急車を呼んでください。

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