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介護に疲れた… あなたが介護うつにならないための5つの予防法

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毎日介護をしているため、休みなくバタバタと働き続けている。

そんな中で、疲れから睡眠障害などの症状がでて、対応しないといけないと感じ始めた。

それは、介護うつの前兆かもしれません。

慢性的な介護疲れは、介護うつを引き起こします。

しかし、介護うつは適切に対応すれば直すことができます。

しっかりと原因を突き止め対応しましょう。

それでは、介護うつについて解説します。

1介護うつとは

介護うつとは、介護によって生じるストレスが引き起こすうつ状態です。

介護の中での肉体的な負担や「大事な家族をきちんと見なくては」という責任感など精神的な負担により、「介護疲れ」を感じます。

その「介護疲れ」を溜め込んでしまうために介護うつを起こしてしまします。

この章では、鬱の症状や原因、なりやすい人の特徴について説明します。

1-1要チェック5つの症状

病状は大きく「精神的症状」と「身体的症状」の2つに分かれます。

1-1-1精神的症状

①睡眠障害

一つ目が睡眠障害です。

基本的なうつ病の症状として多くの方に現れます。

寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める、朝方に身が覚めてしまう、十分な睡眠時間を取っているのに眠いなどの症状が信号です。

②食欲不振

二つ目は、食欲不振です。

睡眠障害と同様にうつ病の代表的な症状です。

食欲がない、味を感じない、体重が減るなどの症状が現れます。

③疲労感

三つ目が疲労感です。

普段なら疲れない程度の運動や労働でも体が疲れてしまう、肩こりや頭痛がひどく、倦怠感があるなどの症状が現れます。

その結果、無気力な状態や集中力の低下などが引き起こされます。

1-1-2身体的症状

④不安感

四つ目の症状は、不安感です。

介護や将来に対しての不安により、感情のコントロールが難しくなります。

イライラしていて落ち着きがなくなったり、話しかけられてもうわの空になることが増えたりします。

⑤思考障害

最後は、思考障害です。

思考障害が起こると、頭の回転が遅くなり、仕事の効率が低下します。

また、ネガティブ思考になりやすく、マイナス発言が多くなり、最悪の場合には自殺願望を抱いてしまうケースもあります。

5つの症状のほかにも憂鬱感から人に「会いたくない」「趣味などの興味がなくなった」などの症状にも注意しましょう。

1-2介護うつの原因はこの5つ

介護うつの原因は大きく5つに分かれます。

原因を特定することでうつ病は改善に大きく近づきます。

あなたの原因に当てはまるものはどれでしょうか。

1-2-1精神的ストレス

親の病気などで急に介護をしなければならなくなった場合などに原因となります。

知識のない状態では、日々起こることにストレスを感じ、せっかくお世話をしても感謝してもらえないこともあるでしょう。

また、どんなに介護しても改善が見られず、終わりが見えないことに不安が大きくなります。

他には、介護により仕事を休まなければならなくなったり、要介護者にストレスをぶつけてしまったりと、介護により人間関係でストレスを感じてしまうこともあります。

その人間関係が原因で一人で介護を抱え込み、孤独感を深めていきます。

1-2-2経済的負担

介護にはデイサービスなどの介護サービスや介護用品など様々な費用が掛かります。

介護のために出勤日数を減らしたり、離職したりすることで収入が減ることも多いでしょう。https://carers-navi.com/careleave

金銭的な余裕がないと、介護サービスに頼ることができず、すべてを自分で補わなければなりません。

その結果、経済的に厳しくなるだけでなく、介護をすべて背負うことになり多くのストレスがたまります。

どうしても経済状況が厳しい場合には、生活保護を受け負担を減らすこともできます。

https://carers-navi.com/welfare

1-2-3身体的負担

入浴介助や排泄介護・起床介助などにはかなりの力が必要なので、身体的負担は非常に大きいです。

また、仕事をしている場合には過労による負担も起こります。

これらの身体的負担は、腰やひざ、ひじなどの関節にたまります。

一度痛めてしまっても介護はやめられないので、身体をかばいながら介護をしなければなりません。

このような毎日を過ごすことで、介護者の身体的負担は相当なものになります。

1-2-4孤独感

介護を1人で負担すると孤独感にとらわれてしまいます。

介護の相談や介護を分担できないと、介護者は1人で悩みを抱え、うつ病になりやすくなります。

また、介護により、自分の時間をとることが難しく、友人や同僚と世間話をする時間すらとれなくなる場合もあります

1-2-5がんばりすぎ

突然の介護で急にがんばりすぎてしまい、突然やる気を失うことがあります。

何もかもが嫌になったり、不安や怒りなど情緒不安定になったりします。

この現象は、要介護者が無くなった後に起こる場合もあるので注意が必要です。

1-3介護うつになりやすい人の特徴

1-3-1完璧主義者

完璧主義者は、手を抜くことができません。

介護でも完璧を求めストイックに自分を追い詰めてしまいます。

しかし、介護は自分1人で行うものではなく、要介護者がいて共同で行うものです。

そのため、なかなか自分の追い求める完璧にはならず、ストレスをためてしまいます。

1-3-2責任感の強い人

責任感の強い人は要注意です。

自分の家族だからと責任を感じ、体調が悪くなったり、疲れを感じていたりしても1人でやり切ろうと自分を追いつめてしまいます。

1-3-3-真面目な人

真面目な人も注意が必要です。

介護にまじめに取り組み過ぎ、自分の時間を削り、介護を優先させてしまします。そのため、ストレスを大きくためてしまいます。

2介護うつ5つの予防法

介護うつは予防の段階で対処することが一番です。

あなたの疲れやストレスの原因に対する予防をしましょう。

この章では代表的な5つの予防法を紹介します。

2-1介護のスキルを身に付ける

介護スキルを身に付けることで介護うつを予防できます。

スキルを身に付けることでスムーズに介護でき、ストレスの軽減に繋がります。

また、介護をスムーズに行うためには、スキルだけでなく、要介護者との関係性も強く影響します。

関係性を築くこともスキルの一つと考え身につけましょう。

自治体で介護指導を行っているのでお問合わせしてみてください。

2-2-身体への負担を減らす

身体への負担を減らすことで予防につながります。

介護は、要介護者の体を支えたり、体の向きを変えたりする機会がとても多いです。

その中で、力任せに介助すると、自身だけでなく、要介護者の負担にもなってしまいます。

身体の疲労を和らげるためにも以下の3点を注意しましょう。

①重心を下げ、両足を広げて支える面積を広げる。

②要介護者になるべく体を近づけ体全体で支える。

③視点を意識しててこの原理を使う。

また、要介護者ができる範囲はなるべくやってもらうことを意識するだけで、自身の負担を減らすだけでなく、要介護者の身体機能の維持にも繋がります。

https://carers-navi.com/care-handrail

2-3施設やサービスを利用する

介護は、あなた一人で行うものではありません。

一人で抱え込むのではなく、積極的に施設やサービスを利用しましょう。

老人ホームなどの長期サービスや、一日単位で受け入れてくれるショートステイ、日中だけのデイサービスなどあなたの用途に合わせたサービスがたくさんあります。

このようなサービスを使用することに罪悪感を感じてしまう方もいますが、むしろ利用しないで投げやりな介護をしてしまうよりは良いでしょう。

2-4相談相手を作る

人に相談することで、あなたのストレスや不安は解消されるでしょう。

家庭の事情を赤の他人に話すことには抵抗もあるでしょうが、勇気をふり絞って相談してみてください。

友人や親戚に相談しづらい場合は、地域包括ケアセンターや自治体の相談窓口にお問い合わせしてみてはいかがでしょうか。https://carers-navi.com/care-consultation

2-5自分を知る

自己理解することで、うつの予防につながります。

1人でやらなければいけないという使命感や体調が良くないなど自分を知り、原因を突き止めましょう。

あなた自身が不安やストレスを抱えていては良い介護はできません。

自分と対話する時間を作りましょう。

 自分のストレスを自覚すれば、手遅れになる前に、その都度発散させることができます。 

3介護うつの3つの解消法

続いてこの章では、介護うつの症状が出てしまった場合に対する解消法を紹介します。

基本的には3つの解消法が知られています。

3-1介護の現場から離れ休養を取る

一番の解消法は、介護の現場から離れ休養を取ることです。

要介護者に迷惑をかけてしまうと思われるかもしれませんが、介護は、介護者の健康があって成り立つものです。家族や親戚に介護を頼めない場合は、ショートステイを利用する方法もあります。

どうしても心配な方は、デイサービスなどで短時間だけでも自分の時間を確保しゆっくりと休みましょう。

3-2薬物療法

薬物療法は、医者が必要と判断した場合のみ、抗うつ薬を使用します。

うつ状態の方は、「セロトニン」や「ノルアドレナリン」といわれる脳内の神経伝達物質の働きの低下が影響しているといわれています。そのため、その物質の働きを促す薬を処方されます。

効果が出るまでは2~3週間はかかり、頭痛や眠気などの副作用が現れるため、改善までは3-1同様にショートステイやデイサービスなどの介護サービスを使いましょう。 

3-3精神療法

精神療法には様々な種類があります。

まずは、精神科医でカウンセリングを受け、うつ状態の原因を見つけます。

その後、原因にあった療法により、治療していきます。

主に認知療法と行動療法が行われます。

認知療法は、介護者の不安やストレスをカウンセリングによって取り除いて行く療法です。

行動療法は、ある体験が体調に影響している場合に行われます。

例えば、起床介護をする際に頭痛が起きるといったパターンとして発症してしまいます。

徐々にそのパターンを修正し、改善していく療法です。

症状が出てしまってなかなか改善がみられない場合は、精神科医にかかりましょう。

4まとめ

介護うつは、なってしまってばなかなか治療が難しくなります。

少しでも体に違和感を覚えたら、すぐに予防を行いましょう。

・介護のスキルを身に付ける

・身体への負担を減らす

・施設やサービスを利用する

・相談相手を作る

・自分を知る

この予防を行えばかなりの確率で改善するでしょう。

万が一なってしまった場合は、勇気を出して周りの人に助けを求めましょう。

安心してください。

あなたの周りには助けてくれる人がいます。

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